本日は隣接市の斎場で直葬でしたが、昨日の午前10時、前橋斎場で

火葬中、ある病院のソーシャルワーカーから突然入った電話による

依頼からで、患者さんへの思いやりある対応の結果なのは明白です。

ただ逝去されたのは9時間前の午前1時・・・

多分葬儀費用が無いと家族に言われ、夜間の看護師さん達では対処

出来ず、ソーシャルワーカーの出勤を待って対応したのでしょう。

※ 医療ソーシャルワーカーとは

疾病を有する患者等が、地域や家庭において自立した生活を送るこ

とができるよう、社会福祉の立場から患者や家族の抱える心理的・

社会的な問題の解決・調整を援助し社会復帰の促進を図る専門職。

間違いなく家族目線の対応なのですが、問題なのは故人を一時的に

安置した部屋の環境です。

あまり効かない冷房、遺体に掛けた布団、腹部胸部への氷を当てる

これらが完全でない状態で引き渡しまでの約12時間放置された訳

ですから、腹部には大量のガスが発生していたのでしょう。

故人の元々の体型を知らない我々は、いつも通りドライアイス処置

して直葬ぱっくの納棺安置をし、部屋はエアコンで18℃に設定した

状態で18時間ご安置をしたのです。

その結果、体内のガスが開口部である『くち』『鼻』などから体液

血液などが噴き出る結果となったのです。

臭いも含め最後のお別れができる状態ではありませんでした。

僕の知る限り院内で遺体用冷蔵庫を有するのは極わずかです。

殆どの病院は病室へのお迎えか、霊安室へのお迎えです。 また、

病室でも布団を掛けておく事が多く、腐敗防止どころか促進してる

ようなものです。 ドライアイスは無いでしょうから袋に氷を入れ

腹部に置くか、アイスノンのような冷却剤を数個当ててくれたら、

死臭が出ずに済むのに・・・と思うことが良くあります。

① 遺体に対する処置知識をもう少し深く持って対処して貰う

② 夜間でも依頼可能な葬儀社と提携しておく

夜間は少ない人数で病室を診ているのが普通と考えると②のほうが

適切な対処方法に思えます。 って言うと提携してる葬儀社はある

って答えが返ってきそうですが『その家族に適した』と前に付くと

話しは違ってくるでしょう。

入院医療費の支払いも滞りそうな、家計の厳しい家族はいくらでも

いるのは、我々のような病院に関して全くの素人でも分ります。

その人達に決して安くない葬儀社を紹介したらどうなるでしょう?

家族は葬儀のほうを優先しますから、葬儀代は何とか支払えたとし

ても病院の支払いが出来ない現実も起きてるはずです。

そこで、低料金~というか・・・依頼可能な全葬儀社リストを作り

家族自身に選択させるのが最善策でしょう。 自分達で選択したの

ですから安かろうが、高かろうが問題ありません。 同じ基準での

内容表示、料金表示が成されていれば良いわけです。

今回のケースも現場は家族の事を考えての流れでしょうが、病院で

紹介するシステムが確立されて無い為の結果でしょう。

夜中であっても家族が自分の財布事情と思いで選択したのが、うち

だったら・・・同じ料金で最後のお別れまでしっかりできる状態で

ご安置できたのは間違いありません。

建前日本では嫌がる人がいるかもしれませんが、人の死が最も多い

のは病院なのですから、存命中は精一杯尽くし、死んだら知らない

ではなく、残る家族の事を本気で考えるシステムがあっても良いと

思えてなりません。 葬儀の心配をしても一銭にもなりませんし、

点数もありませんが、自分達の領域だけでなく、ほんの少し境界線

をまたいで掃除するお隣同士のような配慮が欲しいですね。

我々が医師がサジを投げた瞬間から葬儀は始まると、何をすべきか

その対応方法を話したり、相続や名義変更、預貯金や、遺骨、更に

墓の諸問題から部屋片づけまでするのと一緒です。

スーパーで魚を売っていますが、ただ魚を並べているだけの店より

食べ方、料理の仕方、更には料理別に切ってくれる店のほうが魅力

的だと思うのは誰でも一緒でしょ!?

どんな商売や仕事でも、そんな思いやり・・・あって良いと思う。

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