15日午後2時、隣接市から来館された夫婦と事前相談をしていると

千明の携帯が鳴る・・・暫し席を外し戻って来ると事前相談を中断

して電話内容を僕に伝えます。

都内に住む姪御さんから、隣接市の市営住宅に一人住まいしていた

叔母さんが亡くなり、自分も都内からレンタカーで向かうとの事。

午後7時過ぎに到着し、主治医が死亡診断書を書いて渡して貰う事

になっているので搬送をお願いしたいとの事と聞かされる。

聞いた瞬間『えっ!?』と思いましたが、事前相談の途中でもあり

そのまま相談、入会が済み相談者が帰ると聞きます。

「氷をお腹に当てるよう言った?」「はい、伝えてあります」

「ところで、初めて連絡くれた人?」

「いいえ、近々来館予定ではありましたが、都内ならFAXのやり

取りでも入会できますよって言ったのに、頻繁に行くからその時に

入会手続きを取らせて貰えばいいって言ってた人です」

「なるほどねぇ、非会員か。  今日連絡のあった後見人依頼の搬送

してたら非会員だから受けられなかったね。 ところで、何でその

人の到着を待つんだ? 依頼者が遠方なら、いつものようにすれば

本人も慌てて来なくても良いのにな・・・事前相談かFAX入会を

素直に聞いていれば、本人もバタバタせずに済んだのにな」 実は

『事前相談直前に別市に入院していたお婆ちゃんが亡くなったので

お願いしますと、事前依頼を受けてあった後見人から連絡が入った

のですが、病院から後見人への連絡が取れず、入院前にいた施設に

連絡し施設から葬儀社に連絡したらしいと、折り返しの電話を受け

ていたのです。 うちの倍以上の支出となるでしょうが連絡が取れ

ない後見人に問題があるので仕方ないでしょう。 でもこの依頼を

受けていたら、都内からの依頼は受けられませんでした。 きっと

独居で市営住宅のお婆ちゃんのほうを受けなさいって事なんだね』

事前相談が済んで5時間後、寝台車で指定先自宅までお迎えに行き

自宅の介護ベッドで寝ているお婆ちゃんを見ると、体重は僕よりも

重そう・・・間違いなく70キロ以上はある人でした。

周囲には氷が置いてあり、身体に掛けられた毛布の上にも氷の袋が

置いてあり、全部で5個の氷の塊を使ってはいますが、全く意味の

無い置き方だし、自宅逝去の場合、遺体の処置はされないのが普通

ですから、くちや鼻から体液は出てくるし、臭いもするし、尚且つ

重いし・・・やっとのおもいで寝台車に乗せました。

実は同様のパターンが非常に増えています。

子供のいない人、子供達が都内や遠方に住居を構え、父母いずれか

1人独居生活をしている人、そして結婚もせず子供もなく、兄弟や

甥姪が遠方から来て行う葬儀・・・

思い当たる人は、よーく覚えておいてください。

①事前に最善と思われる葬儀社を選択し事前相談をします

②この時、遠方の依頼者が来なくても済むような相談にするのです

・その時は、自分に連絡を貰えれば、○○葬儀社の人が迎えに来る

 よう指示をするので故人と死亡診断書を引き渡してくださいと、

 主治医や看護師に伝えておきます

・事前相談の際、死亡診断書の故人情報、申請者情報を全て確認し

 100円ショップでも売ってる名前なら買い、滅多に無い名前なら

 普段使わない認印を預けておきます

・葬儀内容、安置方法まで一応全てを決め、最終葬儀費用も算出

・その時の連絡方法と連絡の取れる携帯もしっかり確認

③以上が済んでいれば極端な話、あんしんサポートのぱっく60使用

 なら、全く来なくても搬送・安置・火葬・散骨まで全て可能です

④或いは火葬の時間に合わせ、使用する火葬場で待ち合わせです

※今回の依頼者最大のミステイクは何の根拠もない思い込みです

『決して遠い将来ではないだろうけど、すぐじゃないから大丈夫』

逝去が決して遠くないと思うならすぐに行動すべきでした。 

また千明が伝えたアドバイスを聞き入れるべきでした。

》2万円の非会員追加を発生させずに済んだ

》慌てて来なくても良いし、死臭もさせず済んだし、レンタカーと

 高速代など移動で15.000円の経費も要らず、会社を早退せずに

 済んだのに・・・

今回のように、親子関係でなく兄弟姉妹や親戚筋が行う葬儀の場合

僕は最大限費用を抑える方法を考えます。

親戚ではありますが家族ではありませんから、あまり費用が掛かる

ようだと温かく送るどころか、嫌々になって当然だからです。

我々は葬儀費用だけを考えますが、今回の姪御さんは他にも色々な

費用が掛かることになりますから、それが分っている僕らが少しは

気を使ってあげないと・・・って思うからです。

と、その話しをこれから書くとやたら長くなるので次回にします。

次回は『独居者の逝去で掛かる費用、あれこれ』ですね。

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