新たなパンフレット作製に伴い、ホームページの修整と変更をする毎日となって

いますが、外は暖かいを超え、暑いくらいの陽気に少しボーッとした頭でPCに

向かい、音楽を聞きながらの作業を続けていると、突然インターフォンが鳴り、

葬儀の事で相談したいと言うのですぐに階下に降りていく。

来館されたのは40代の兄妹、60代半ばの母親が脳梗塞で倒れ入院、意識もなく

肺炎を併発しており医師から覚悟を言い渡されたらしい。

聞くと父親は53才で13年前に他界したが、葬儀に200万円掛かった経験があって

どうしたものかと、あちこち相談をしていたらしい。

今日病院へ行くと偶然見舞いに来た伯母さんと会い、あんしんサポートへ相談を

してみたらと勧められ来館したのだそうです。

苦労を背負ってきた母だから、せめて家族葬くらいはしてあげたいと言う兄妹の

気持ちは痛いほど分る・・・ただ借金があり返済もままならず、家の土地を半分

切り売りして凌ぐと聞かされたこともあって、こんな風に言いました。

「もしもの時が来たら、その時の財布事情で無理せず出来ることをすべきだよ。

例えそれが火葬だけの葬儀になったとしても、お母さんが心配するのは葬儀内容

ではなく、後に残った家族の生活だと思うよ。 それと供養にお金は掛からない

但し心が無いと出来ないのが供養だよ」

と言って『供養とは』を数分間でしたが話しました。 

またずっと疎遠で縁切り状態だった兄妹が母親が倒れたことで、こうして一緒に

来館して相談している姿を、終幕以降も続けることが一番の供養だと思う。

と話を続けると2人揃って目を真っ赤にして頷いて聞き、各々自分の胸の中に

ある思いを語れたことで、また一歩以前の兄妹に近づいてくれたようでした。

一連の流れの中で流した涙は『後悔の涙』から始まり『母を思う悲しみの涙』に

なって最後は『安堵の涙』へと変化したのが僕にも手に取るように分りました。

帰りがけ2人揃って「この2週間ずっと胸につかえてた物が取れたようでホッと

しました。 本当に来て良かったありがとうございました」と、まだ葬儀にも

なってないのにお礼を言って帰っていきました。

その直後、ある新聞社の記者が電話をくれ少し話をしましたが、色々話した中で

こんな風に言っておきました。

「困って来館された方については、相手のあらゆる事情を出来るだけ早く察知し

葬儀後の生活を最優先させ、家族に後悔させない、温もりのある葬儀を提案する

のが我々プロの仕事だと考えている。 自分達で勝手に決めた内容を押し付ける

のは、僕の中ではプロとは呼べない。 自分達の利益より頼ってきた人の生活を

最優先し家族毎に最善の企画を瞬時に考え提案できるからプロなんですよ」と

笑って言いましたが、僕の本音でもあります。

初めて顔を合わせて帰るまでの2時間で、二人とも自分の中にある本音を出して

くれるほど心を開いてくれ、信用してくれたのですから、その信頼以上の結果を

出すのが信頼に応え、より強い信頼を得られる唯一の方法だと思っています。

7年前の開設依頼、ずっと同じ考え方を貫いて今があります。

兄妹にとっては辛く大変な時期ですから、不謹慎かもしれませんが、こんな人達

こそが僕の気力を奮い立たせ、気概をより一層強くしてくれるのでしょう。

お蔭でボーッとしていた頭も、戦闘モードに切り替わったようです。

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