葬儀翌日の昨日、前回書いた家族が支払いに来てくれました。

葬儀の4日間、充分満足しています」と夫婦笑顔で2時間ほど話をして

帰られましたが、亡くなったお爺ちゃんと家族、数年間の出来事などを

話しを聞いてると『凄いなぁ、、俺には無理かも』と思える内容です。

まだボケる前、お爺ちゃんとお婆ちゃんの葬儀代にと2人分200万円

預かったそうですが、2人で入院するとすぐに無くなったそうです。

うちに来て入会されたのが昨年4月で、お婆ちゃんの葬儀が近いと考え

ての事だと言ってましたが、結果はお爺ちゃんの葬儀で使いました。

そのお爺ちゃんボケてからは首を絞めたり、殴ったり、徘徊したりする

だけでなく、騒ぐ、わめく、排泄物は手で掴む、畳は指で掘って大きな

穴を空けるし、徘徊は昼夜関係なく夫婦はこの数年ちゃんと寝たことも

なく、亡くなってからも2時間ほどで目が覚めると言っていました。

お爺ちゃんは自宅で介護していたので、奥さんは24時間付いているの

ですから、ご主人一人の稼ぎだけです。 娘は専門学生、息子は高校生

ですから、お金の面も相当大変なのは誰でも分かります。

なのに「お金が無くなったから爺ちゃんから貰ったネックレスを質屋に

行って換金して支払ったりとかね」と笑って話す夫婦・・・

搬送してから葬儀までの4日間、あんしん館個室でのご安置で毎日朝に

来ては夜に帰る家族で、親戚の人達も途切れる事なく来てくれた光景を

見ていた我々は、幸せな温かい家族だったのだと勝手に憶測をしていた

のが間違いだったと初めて分かったのです。

そんな数年間を過ごしてきた家族が、お爺ちゃんの姿を見て涙を流し、

僕の書いた「故人を偲ぶ」を見て涙を流し、話しをしていて涙を流す。

お爺ちゃんの悪口は家族から一度も聞かず、家族として当たり前の事と

思い色んな事と格闘してきたのでしょうに、故人の息子夫婦と孫達2人

全員が優しさを持ち合わせているし、娘は高校生時代、爺ちゃんのしも

の世話もしていたのだと聞かされました。

いくら家族だと言っても、人はそんなに寛大になれるのでしょうか?

滅多にいませんが、たまに同じような家族に出会います。

この親ににして、この子達あり・・・なのでしょう。

家族生活を通して人として一番大切な優しさや思いやりを学び子供達も

優しさを身に付け育つ・・・凄いことだし、親として素晴らしいと思う。

今の時代、家族関係は非常に希薄だし、親と別居する子供夫婦も多くて

独居老人が増えている要因のひとつでありますが、遠い昔には当たり前

だったような家族は今もいるのだと教えられた葬儀でした。

だから、そうあるべきだと言っているのではありません。

亡くなった故人の葬儀より、生きている家族の生活が大事だと言うのと

同じでボケた人より正常な人の精神を守るほうが大事です。

ボケた家族の面倒を看ることで、看ている家族の神経がおかしくなった

としたら何の意味もありません。 そうなる前に施設等で対処すべきと

思っていますし、そうすべきだとも考えます。

今回教えられたのは、弱者に対する健常者の優しさと通じるものがある

ように思えたのです。 自分だけが良ければ良い風潮が強い世の中で、

自分より弱き者に対する優しさを持てる強さを教えられました。

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