何とか新規で入り込んだ繁盛店ですが、相変わらずお客様が多く

中々時間をとって貰える状況ではありませんので、曜日や時間帯

など変更しながら最低でも週に一回は訪問します。

当然、下掃き、本整理、靴整頓なども行いますが、慣れてきたら

パーマを巻くロットや、道具洗いなどもするし、時にはパーマ後

お客様の頭からロットを外したり、パーマ液を塗布したり、お茶

入れなども手伝うようになってくると材料の注文も貰えます。

この時点でようやく営業開始、季節物のトリートメントや夏場は

シーブリーズ、冬場ならアロエクリームなどを箱で買って貰う。

仮に1箱12個入りだとしても、その程度なら付き合って貰える

くらいにはなっています。鏡の前に全て陳列し、空き箱は持って

帰り捨てずに車内で保管をしておくのです。

翌週行くと、いくつか売れている事もあれば、殆ど売れない事も

あるし、全て売り切っている事もあり、全て売れていれば追加を

するのは当然ですが、仮に3個売れていたなら先生に聞きます。

「先生あと何個なら売れそう?」すると「そうねぇあと3個かな」

と言ったとしたら即座に「分かりました。残りの6個は今日返品

しちゃいましょう。ところで何処の材料屋さんでも良いけど注文

予定の材料を返品分で交換ならそのほうが良いよね」すると当然

「そりゃそうだけど、それで良いの?」即座に「全然良いですよ

どうせなら使う物に替えたほうが店には良いし、会社の在庫なら

どちらでも同じですからね」と言うと大抵の店は他社へ注文する

予定の材料名を言います。パーマ液、カラー剤など主力材料だと

他の品物では駄目ですが、業務用のシャンプーやトリートメント

とか、小物類なら当社扱い品と変更してもさして問題ありません。

販売用の商品だけでなく、材料も全て気軽に返品交換を続けると

あそこはいつでも交換してくれるからと、気軽に買ってくれるし

納品した翌週には返品交換するので商品も傷みません。

車内に取っておいた空箱はここで役立ちます。

他社営業が売る時だけ力説、あとは売れ残っても知らんぷりなの

に対して、たった一週間で使う材料と交換して貰えるのは美容室

にとっても非常に使いやすいディラー(材料屋)なのです。

これを繰り返す事で、少しづつ当社からの材料比率が上がります。

と同時に経営に必要なスタッフ教育、年間企画会議、毎月の売上

結果と対策などを閉店後に行う事を勧め実践に入ります。

いよいよ本格的な営業開始、この辺まで来ると先生と僕の立場が

いつの間にか入れ替わって、先生のほうが低姿勢になっているか

少なくとも同等の立場で話ができる関係となっています。

この頃になると訪問時が忙しい時など「少し奥で待ってて」とか

閉店後で良いからルートの最後にまわってと言われるようになる。

殆ど商品の説明はしません。 他社営業がいくらでも説明してくれ

ますので同じ事をする必要もないし、コンサルティングセールス

といった感じの営業で、頭を下げて買って貰うこともありません。

また経営者には次のように伝えておきます。

「もし僕より力量のある営業マンが来たら、遠慮せずその人から

買うんだよ。それが店の繁盛を続ける事に繋がる、、ただ事前に

一言その旨を僕に伝える約束だけはしてね」

正直、内心は『そんな営業は絶対いない』と思っているのです。

これは結果に対しての自信ではなく、その店の事を本気で考えて

言動する事に対し、僕以上の営業はいないという自信だけです。

だから美容室にとっては月1回か2か月に1回の夜間会議なの

ですが、僕にとっては毎日の事で時には朝方に帰ることもある。

徹夜で企画し書き上げて翌日印刷して持っていくこともある。

またスタッフに対しては先生より厳しく接します。

その結果、僕の車が店の前に停まると、ときたま暇で座っていた

スタッフ達だとしても立ち上がり動き始めるくらいですから、相当

怖い印象を持つのでしょうが、言った事は寝ずにでもしてくるし、

スタッフが買う商品は原価で渡せとか、販売商品利益の一部は

スタッフに還元とか、年に一度は店内で海外旅行に行き、その

費用を出す為にみんなで目標数値を達成させるとか、、、色々と

自分たちにとってもメリットがあるので逆らいにくいんでしょう。

先生が言いたい事を僕が言うことで、先生はスタッフと同じ位置

にも立てるしスタッフも離れません。 簡単に言うと悪役は僕が

引き受ける事で、店内は穏やかな空気の中で営業できます。

前回も書きましたが、文章にして読むと『策士』という印象にも

なるでしょうが、読んで分かるように嘘は言っていません。

美容室側が望むディラー像を可能な限り実現しているだけです。

これが何社も取引している中から、一番の取引先にするひとつの

方法ですが、これらの事を実践し続けると種まきと言える余禄が

相当数増えますが、同時に営業人生に危険な状況も生まれます。

次回はその辺の事を書いてみます。

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