11日間続いた葬儀の集金も全て完了、だいぶ頭の中もスッキリしてきた
昨夜、そろそろ帰ろうと思っていたところへ1本の搬送電話が鳴った。
95才のお婆ちゃんで、昨年12月に孫やひ孫達とサイパン旅行に行った
ほど元気だったのに骨折して入院、インフルエンザから肺炎を併発しての
ご逝去だという。
搬送する為に病室に行く、予想以上にくちを開いているので看護師さんに
確認してみた「もしかして腰が曲がっておられたのですか?」すると
「はい背骨全体が・・・」そこで故人の物だというタオルケットを背中から
頭部に向かって厚く敷いてからストレッチャーに移動しました。
すると、ベットの時よりくちの開き方が少なくなったのを確認。
あんしん館に搬送し、安置ベットに移動する際、搬送シートに付いている
安定枕の下に棺に付随している枕を3個入れて寝かせると、少し処置を
すればくちが閉じるだろうと思えるくらいまでの開き方になりました。
改めてくちを見ると、ん? 舌の上に入歯が見える、あり得ない場所です。
そこで家族に確認すると病院で入れて貰ったのだという。
おそらく入院している間に痩せたこともあり、入歯が合わずに取れてし
まったのだと推測できる。
家族に了承を得て、化粧の時に外させて貰うことにしました。
すべての打合せが済み、一旦家族は帰ったので我々は死化粧に入る
のですが、先ほどの入歯を取り除き、綿を使ってくちを閉じます。
無駄毛、鼻毛を取り除き、化粧水で顔を拭いてからピンク系コンシーラで
顔中にあるシミを隠し、ファンデーション、粉おしろい、さらには独自の
頬紅と口紅を差すと、いまにも起きそうな寝顔のお婆ちゃんのお顔に
なりました。
翌日来られた家族は「わぁーいつもの寝顔のお婆ちゃんだ」と言って
い家族全員の顔から笑顔が出たのです。
身体が曲がっている、腰が曲がっている、首が曲がっているなど、、
ご遺体の多くは真っすぐ上を向いていません。
今回のように腰や背骨が曲がっているご遺体なら、曲がった角度に
合わせ枕の下に何か入れてあげれば、比較的簡単にくちは閉じますし、
時間経過しても、くちは開かずにいてくれる場合が多いです。
化粧も、ただ綺麗に、、、というよりは家族がいつも見ていた顔に近づけて
あげるほうが家族にとっては安堵できるのです。
この辺の感覚こそ家族目線の葬儀という典型的な場面かもしれません。
家族目線とは、家族だから気になる事、、、を気にならないようにする事が
最大のポイントだと思います。
2~3日空いた後であり、丁度疲れも取れてきたところでもあり、ひとつの
葬儀施行なら何の問題もないと思っていた朝、まだ夢見心地の中、
千明から電話が入って搬送です。
自宅安置で、部屋は全て白幕を張り、安置用の祭壇飾りを行うのです。
午前11時から湯かん、納棺があるので、それまでに安置、届出、手続き
更には各種手配を済ませると、湯かん納棺を済ませ、遺影作成、隣保に
配る訃報のお知らせ、親族用スケジュール、自宅用香典返しと会葬礼状
全て揃えて自宅に行き、部屋の模様替え、最終打合せをすませて自宅を
出ると午後5時を回っていました。
三人で本日初めての食事をしながら明日、明後日の打合せです。
我々は話題が話題なので個室のある場所での食事が多くなります。
打合せと食事をしていると、先日葬儀をされた方から49日法要の件と
墓を作りたいので墓所と墓石の相談に乗って欲しいとの連絡が入る。
今月は元旦午前3時45分の初依頼から始まって、31日の火葬まで
1ケ月間ずーっと葬儀だったような錯覚さえ覚える年の初めでした。
・・・つづく
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