電話予約をされ現れたのは60代の初老を迎えた女性でした。
椅子に座って相談を始めると、お父さんが特養施設に入所しており、
その時が来たらお願いしたいとの事でした。
どんな葬儀にしたいのか予算も含めて話しをすると、その時が来たら
連絡をするので自宅に搬送して安置し、火葬で送りたいとの事です。
「分かりました。なら5万円火葬支援パックで充分です」と内容を説明します。
① 二十四時間問わず、施設に迎えに行き、搬送シートに包んで自宅に搬送
② ドライアイス十五㎏で腐敗遅延処置
③ 末期の水を取って、線香具一式を揃え、火葬当日までレンタル
④ 死亡診断書に記入して貰い、市役所と火葬場への届出申請は当方で行う
⑤ 棺の準備が整い次第納棺をする事で、ドライアイスの追加が
不要となりすます
⑥ 予約日時に合わせて霊柩車で棺火葬場まで搬送
⑦ 火葬後の拾骨用に化粧箱入り七寸骨壺をご用意
以上の全てと消費税込みで5万円です。
あとはお花を供えたいとか、遺影写真を準備したいとか、旅支度は
整えたいとか、位牌や、果物、一膳飯、枕団子等々したい事があれば
どれでも追加可能で、パンフレット単価を加算するだけです。
すると女性が言います。「あの~、、③の末期の水と線香具一式も
要らないのですが外して貰えますか?」それを聞いて仏教徒ではなく、
別の宗教を信仰されている家族なのだろうと思い、こんな風に言いました。
「分かりました。火葬をするのに最低限必要な事だけすれば良いって
事ですか?」すると女性は「はい!その通りです」とニコニコして言葉を
続けます「お葬儀屋さんにお願いすると、線香道具は必要だ、これも
あれもと言われ、何も無いなんて聞いた事はないと言われてしまうんです」
「分かりました。希望通りにさせて頂きます。ただパンフレットの単価を
計算して頂くと分かりますが、5万円火葬に含まれる①~⑦までと
人件費を計算すると当社価格でも15万円近くになるのを5万円で
提供しているので値引きは出来ませんが宜しいですか?」すると女性は
「はい、勿論です。5万円でして頂けるだけで大変ありがたい事ですし、
何も聞かずに自分達がして欲しい事だけして貰えるのも初めてなので
凄く嬉しいです」と言われたのです。
依頼した女性家族は仏教以外の宗教を信仰される方ですから、彼女に
とって当然の事を言っているだけです。
末期の水を取って線香を供えるのは仏教だけの話だからです。
なのに葬儀屋さんからは線香具を揃えるのは当然だと言われるし胸の
位置で手を組むのは当たり前だと言われ嫌な顔をされたようです。
日本のように圧倒的多数が仏教徒だから通る話なだけです。
多民族国家なら人種も、宗教も多種に渡るので一般論ではなく、
あなたはどうしたい? というのが普通であり一般的であるはずです。
日本は自由な民主国家なのですから家族の意思や家族の思い、
家族の都合を最優先した葬儀を行い、それをみんなが当然と考える
時代になっている事を、日本に住む人達は理解すべきでしょう。
本章の主題『我流葬儀』我流とは決まりや形は無く無形という事です。
あるとすれば家族という最少単位での決まりでしょう。
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『世間に通用する我流葬儀の勧め(仮題)』の下書き文章です。
これから葬儀の喪主や施主をされる方々にとって、後悔の少ない
葬儀にするお役に立てればとの思いを込めて書いています。
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