指定施設に到着すると、お部屋までストレッチャーでお迎えに行く。


搬送シートに包んで1階に降りたが、外は暴風雨・・・しかし、これから


多少の時間を待ったところで台風は直撃コースを辿っているらしいので


もっと凄いことになる可能性さえある。 そこで施設の職員さんみんなで


傘をさしてくれる中を霊柩車まで移動して乗せ、すぐに自宅に向かう。


自宅に到着すると暴風雨の中を自宅内まで移動する。 部屋の中に


入ると本日最後の仕事に入る。 一旦安置をし、多くの場合は末期の


水を取りますが、今回は教会式の為、そのまま打合せに入った。


都内から牧師さんが来る予定があるらしく、午後9時30分ではあったが


連絡を取ってみる。 葬儀は3日後の午前式で決まった。 そこからは


暫く色々な打合せをする。 時計をみると安置してから3時間ほど経過


しており充分冷却できた頃なので死化粧に入る。 ところが今回の故人


であるお婆ちゃんは何も食べずに、点滴だけで生活をしていた方なので


全ての肉が無くなっている状態である。 最大の難関は開いたくちだ。


口が閉じた状態を維持するには、硬直する筋肉が必要だからです。


全く筋肉もぜい肉も無いあごは、閉じても開いてしまうのです。


困った・・・初めての経験に暫し考える。 タオルを首下に回し故人の


身体で抑える事で、なんとかくちの開きを納めて、首両側の頸動脈を


冷却する為に置く2本のドライアイスで抑えることで何とか処置を終える。


いつもの倍以上時間は掛かったが、何とかなってホッとした頃でした。


改めて耳を澄ませると外が静かである「あれ?外は静かなの?」という


僕に家族が答えてくれた「さきほど高崎を通過して今は東北みたい」


ほぉー直撃だったか・・・ いつの間にか台風は過ぎ去っていたのです。


安置、化粧が済むと温かいコーヒーを頂き帰路につきます。


朝9時に事務所を出て『火葬葬儀』つづいて午後いちで『お別れ会』


直後に『搬送依頼』搬送に行った病室で更に『搬送依頼』、民間施設


安置を済ませ打合せをし『湯かん納棺の儀で納棺師を勤め』最後に


暴風雨の中、搬送安置、化粧、打合せをして午前2時帰路についた。


曇りから始まり、台風直撃から一過の静かな夜を迎える15時間・・・


食事も取れず、考える時間もなく、夢のような1日が終わったのです。


ぐったり疲れた身体と、充実した心と、綺麗な空気と、静かな夜・・・


仕事の遣り甲斐とは、こんな時にも感じるものなのですね。


本日の葬儀、搬送、湯かんをした5軒の家族との会話や我々と接する


家族の言動こそが、遣り甲斐を感じさせてくれるのでしょうね。 そんな


風に考えると、あんしんサポートは利用者の人柄に恵まれているのかも


しれませ。 ありがたいことです。 まだ明日から3日間続けての葬儀と


なりますが、全ての家族と良きコミュニケーションが取れているので何の


不安もなく全力で仕事ができます。・・・つづく


↓↓↓↓
にほんブログ村 その他生活ブログ 葬儀・法事(個人)へ 
にほんブログ村


僕自身がひとつひとつの葬儀を確認・反省・向上する為に書く実践日誌ですが、

これから葬儀を
経験される方々が後悔の無い葬儀の役に立つ事が出来たら


との思いを込めて書いています。 宜しければクリックをお願いします