一年で最も長い昼の季節も、そろそろ夜を迎えようとする頃、ようやく


指定病院に到着すると同級生と車椅子に乗った故人の息子さんである


同級生の従妹達が待っていてくれた。 逝去から数時間が経過している


ので手の組み方と硬直を心配したが問題ないようである。 すぐに自宅


搬送をすると、物が置かれ狭くなった6畳間に安置をする。 これからの


事を考えると生活保護も視野に入れたいところでしょうが、古く少しかた


向いてはいるが自宅があるので、申請しても簡単に受理して貰えないだ


ろう事は想像がつく。 安置が済み、末期の水を取ってもらい打合せを


するのが普段の流れですが、今回はあえて家庭事情を聞く。 


故人は以前から仕事は出来ない状態で、自宅療養をしていたらしい。


息子さんは数日前体調を崩して医者に行くと、かなり進んだ糖尿病と


診断され足先を切断したばかりで今も入院中だという。 


その病院に体調が悪くなった父親が昨日に入院してきたが本日逝去。


どうして良いか分からずお寺に相談をしたところ、寺での葬儀と読経と


戒名までの費用が30万円で良いと言われたという。 


その話しを聞いた同級生の奥さん(彼女も僕の同級生)から僕の友人、


そして僕という流れで搬送まで済んだのが、ここまでの経過のようです。


息子さんに聞く「今も入院中ですよね? この先医療費、入院費等が


掛かるでしょうが問題ありませんか?」すると 「そうなんですよ。正直な


ところかなり問題です」 それを聞くと「お父さんは後期高齢者保険には


入っていましたか?」 「あ、はい、入ってます」 「分かりました。今回の


葬儀ですが、あんしんサポートには5万円火葬支援パックがあります。


それを基本に葬儀内容は組みましょう。 それと後期高齢者保険から


5万円の葬祭費が出ますから実質一銭も出さずに火葬は出来ます」


それを聞いた家族は安堵の表情で「宜しくお願いします」と決まりです。


お寺の好意で提示してくれた30万円、なぜ検討もせず一蹴したのか?


提示された30万円はあくまでお寺への費用だけです。 葬儀をするには


あんしんサポート依頼でも189.000円が掛かります。 これが一般の


葬儀社への依頼なら、総額100万円になっても普通でしょう。


今、この家族に必要な事は一般葬儀を行う事ではなく、残った家族が


生活をしていく為に少しでも費用を抑えた葬儀にして、経済面だけで


なく精神面での負担も軽くすることだと考えたからです。


現在時刻は午後8時、明後日が友引なので明々後日の午前火葬の


予約を取ります。 一緒に話しを聞いていた親戚の人でしょうか「あのー


枕元に花をあげて欲しいのですが」というので籠盛生花一対を追加。


費用は9.450円です。 火葬日時が決まると同級生に言います。


「明日、寺に行って火葬だけを行う事情をよく説明して、後で落ち着い


てから、納骨も含めて今後の事は相談すると伝えて来てな」という僕に


「分かった 明日叔父さんと2人で行ってくる」ということになったのです。


今回のように、収入の目途は経たず、費用だけは出るのが分かっている


ような状況に直面すると『5万円火葬支援パックを作って良かったぁ』と


改めて実感します。 安置が済んでの帰りに、家族だけでなく、親戚の


人や同級生も含め、その場にいた皆さん安堵の表情でした。


ところが、お寺さんの話しはこれで終わりではありませんでした・・・つづく


次回『震災支援の仲間が急死、お別れ会を引き受ける』


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