提案とは、前橋斎場で葬儀を行ってはどうかというものでした。
①斎場使用料に関しては前橋のほうが安く、故人姉妹が申請すれば
市民と同条件で使用できる
②前場斎場は祭壇生花を飾れるし、お別れの時に花入れもできる
③友引が入る葬儀までの3日間の安置料金も安くなる
④あんしんサポートの葬儀なら総額が安く済むので葬儀費用全体では
50万円以上の差がでると思われる
【ご家族の要望と諸条件】
・生花をいっぱい飾ってあげたい(棺にもいっぱい入れてあげたい)
・息子二人は県外の人、故人の姉二人は前橋市民
・3階にある自宅への搬送は難しく民間安置施設を使用する事になる
これが前橋での葬儀を提案した要因ですが、ひとつだけ大きな問題が
生じるのです。それは故人が慣れ親しんだ町営住宅の人達にとって、
お別れするのが大変だということです。葬儀に列席される方々ならば
葬儀当日に会えますが、線香だけでもあげたいと思われる方々に会う
のは難しくなるのは分かっていましたので、こんな風に言いました。
「葬儀前日の4日・日曜日は友引ですから、事前に町営住宅の方々や
地元の人達でお別れがしたい方々に伝えておけば、お母さんを棺に納
めて霊柩車で連れていくこともできます。勿論、費用は変わりません
僕自身が運転していきますから安心してください。いかがですか?」
すると息子さん達が「本当ですか?前橋から50分は掛かりますけど
良いんですか?」と嬉しそうな表情で聞き返してこられました。
前橋斎場の葬儀、前日にお母さんはドライブをする事で決まりです。
葬儀前日の午前10時30分、お母さんと弟さんを乗せて出発をした
霊柩車は50分ほどのドライブをして故人の住み慣れた団地に到着。
住まいだった3階の真正面にある日陰に停車しようと車を進めると
そこには同じ団地にお住まいの方々16名が黒い服を着て待っていて
くれたのです。霊柩車のハッチバックを開け、もしもの時はとストレ
ッチャーに棺を乗せてあったので引き出すと棺の高さを腰の辺りまで
下げて棺のフタを半分ほど開けて一人づつお別れです。
お顔は搬送した直後に化粧をしたので綺麗なお顔のままで眠っている
ようです。お別れが済んで前橋までの帰り道、ご近所の方々の様子や
息子さん達の顔を思い出すと、連れて来て良かったと心から思います。
事務所に戻って少しすると息子さんから電話が入りました。「あのー
母はひまわりが好きだったと聞かされたんですが、祭壇に飾る生花に
加えて頂けますか?」聞いた僕は「えっ!? ひまわりですか?」と
改めて聞き返したのです。今は12月4日なのですから普通に考えて
夏の花であるひまわりがあると思えません。それに仮にあったとして
も、今日は日曜日で明日の午前が葬儀なのですから生花市場も無い。
さぁ どうする・・・つづく
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