R&I(格付投資情報センター)は、3月15日付けでニュースリリース「金融・資本市場の混乱の影響で生保のリスク耐久力に低下懸念広がる ストレス下でのリスク管理の実効性にも注目」を公表しました。


現在、方向性を「ネガティブ」としている以下の5生保については、とくにリスク耐久力への影響に注目が必要ということです。

第一生命     (保険金支払い能力 A+)
第一フロンティア生命(保険金支払い能力 A+)
富国生命     (保険金支払い能力 AA-)
三井生命     (保険金支払い能力 BBB)
朝日生命     (保険金支払い能力 BB)

AA :保険金支払能力は極めて高く、優れた要素がある
A  :保険金支払能力は高く、部分的に優れた要素がある
BBB:保険金支払能力は十分であるが、将来環境が大きく変化した場合、注意
    すべき要素がある
BB :保険金支払能力は当面問題ないが、将来環境が変化した場合、十分注意
    すべき要素がある


(以下引用)

金融・資本市場の混乱の影響で生保のリスク耐久力に低下懸念広がる
 ストレス下でのリスク管理の実効性にも注目


マグニチュード9.0と国内観測史上最大を記録した3月11日の東北地方太平洋沖地震は東北地方中心に甚大な被害をもたらしている。
今回の保険金支払いが生保各社に与える影響は軽微であるとみているが、日経平均株価は9000円を下回る水準まで大幅に下落している。
金融・資本市場への影響も大きくなっており、生保各社へのリスク耐久力の低下が懸念される。
生保各社がストレス下でリスク管理を適切に機能させ、格付に見合う財務基盤を維持できるか注視していく。

R&Iは生保の格付において、一定のストレスシナリオ下におけるリスク耐久力を重視している。
リスク耐久力の低下が一定の範囲内で、かつ一時的であれば、信用力への影響は限定的とみている。
ただし、伝統的な日本の生保は、リスクバッファーに占める株式のウエートが高く、株価変動の影響を受けやすい。
リスク耐久力の低下が想定以上に進み、それが継続する可能性が高まれば、格付には下押し圧力が高まる。

特に格付の方向性をネガティブとしている第一生命保険(証券コード:8750、保険金支払能力=A+)、 第一フロンティア生命保険(非上場、保険金支払能力=A+)、富国生命保険(非上場、保険金支払能力=AA-)、三井生命保険(非上場、保険金支払能力=BBB)、朝日生命保険(非上場、保険金支払能力=BB)のリスク耐久力への影響を注視する必要がある。
金融危機以降、各社は資産運用リスク の削減や内部留保の蓄積を進めてきた。
しかし、金融・資本市場が一段と混乱するようなら、中期的に格付に見合うリスク耐久力を確保することが難しくなり、格下げの可能性が高まろう。


(引用完了)



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