■日本支社って何?

アリコは、日本法人ではなく、日本支社でした。
高い格付けは、アメリカ本社の業績の反映だったということです(それで、今回は逆に、本社の業績悪化が、日本支社に飛び火したわけです)。
ご存じでしたか。

アリコジャパンHP:お客様各位[AIG,Inc.に対するFRB(米国連邦準備制度理事会)による資金供与について]

■TV-CMが減る?

アリコのビジネスモデルは、
・広告宣伝費の投入
 ↓
・保険料収入の増加
 ↓
・さらなる広告宣伝費の投入
 ↓
・さらなる保険料収入の増加
のループだったように思います(ある意味、自転車操業なので、加入対象者をこれまでは保険に加入できなかった人にまで拡大し、いらない保険を売り続けるしかなかったのでしょう)。

で、今回の騒動で、不要な契約を解約する契機となるとしたら(こんなことでもないと、なかなか不要だと分かっていても、保険って解約できないものです。とくに年配になればなるほど)、
・保険料収入の減少
 ↓
・宣伝広告費の減少
 ↓
・さらなる保険料収入の減少
 ↓
・さらなる広告戦で費の減少
のループとなるかもしれません。

広告代理店やTV局・ラジオ局、新聞社など、軒並み営業収入に影響が出てくるはずです。
個人的には、保険のコマーシャルのたびに、リモコン操作をしなくてすむようになると、うれしいのですが。

光通信のビジネスモデルも、一頓挫というところでしょうか。

■保険タレントが減る?

アリコやアメリカンホーム保険のTV-CMに出演している(していた)タレントの皆さん(思いつくままに、書き出してみました)。
・地井武男さん
・薬丸裕英さん
・天海祐希さん
・中村メイコさん
・国仲涼子さん
・星野仙一さん
・高島礼子さん
・フリーアナウンサーの皆さん
錚々たる皆さんですが、常々、ご自分が出演している(していた)商品の内容をご存じなのかどうか、心配していました。
ギャラはいいのでしょうが、数年後あるいは数十年後、加入者から怨嗟の声が上がるような商品の広告塔になるのは、タレント生命を自ら縮めるようなものです(損害賠償請求までは、ないとしても)。
これを潮に、広告塔からはすっぱりと引退された方がいいではないでしょうか。

■マスコミの対応は?

噂では、トヨタのTV-CM費を超えたともいわれるアリコですから、マスコミなかんずくTV局にとっては大旦那です。
意図的かどうかは判然としませんが、今回のリーマン破綻のニュースでも、AIGとはいっても、具体的な保険会社の名前は、できるだけ目立たないように、気遣ったやさしい報道だったように見えました。
でも、広告宣伝費の減少が続けば、腰の引けたマスコミの対応も多少は変わってくるのではないでしょうか。
夕方のニュース番組の家計診断でも、はっきりといらない保険はいらないと、FPの先生もいえる日がやってくるでしょう。

■過剰反応に注意

とはいえ、AIGの保険子会社の格付けは、一定レベルの高い格付けを維持しています。
S&Pでいえば、「A+」はソニー生命と同じです(ただし、アリコ、AIGエジソンにはクレジットウォッチがついていますが)。
その下には、5段階も下に三井生命が、6段階下には朝日生命があるのです。
そういった意味でも、浮き足立つ必要はありません。
ただ、AIGの保険子会社の商品に加入しようとしていた人は、とりあえずやめた方がいいでしょう。
調べれば、同じ内容の商品が、ほとんど同じ保険料か、それより安く加入できるでしょうし。


まとめ。
で、何が変わるかといえば、皆さんの意識です。
皆さんは、外資系なら、通販なら、あるいは世界的に有名な保険会社なら、きっと
・保険料が安いはず
・日本の生保にない、うまい話があるはず
・加入しやすいはず
・経営が安定しているはず(投資商品・外為商品なら、高収益が期待できるはず、というのもあるでしょうか)
と勝手に思いこまされていませんでしたか(もちろん、日本で日本人を相手に商売し、日本人の死亡・入院のリスクをもとに保険料を決めるのですから、うまい話があるはずがありません)。

そういった意識が、この一連の騒動で変わってほしいと、私は切に願っています。
さてどうでしょうか。


生命保険コンサルティングのご案内
http://www4.plala.or.jp/anshin/8_muryou_day.html


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