もしかしたら、いまもっとも脚光を浴びている(あるいは、これからもっと脚光を浴びる)かもしれない「生命保険契約者保護機構」。
皆さんが生命保険に加入する時に手渡される「約款・しおり」には必ず記載されているので、引っ張り出していただければ概要はつかめると思いますが、サイトもありますので、紹介してみます(以下、抜粋)。

[生命保険契約者保護機構の概要]
 生命保険契約者保護機構(以下「保護機構」といいます)は、保険業法に基づいて平成10年(1998年)12月1日に設立・事業開始した法人であり、国内で事業を行う全ての生命保険会社が会員として加入しています。
 保護機構は、生命保険会社の保険契約者のための相互援助制度として、万一、生命保険会社が破綻した場合には、破綻保険会社の保険契約の移転等における資金援助、補償対象保険金の支払に係る資金援助等を行います。
 また、生命保険会社の更生手続においては、更生管財人が作成した更生計画案の決議を行う関係人集会等における議決権行使等、更生手続における保険契約者の一切の手続を代理します。

Q17 生命保険会社が破綻した場合、業務再開まで保険金等は支払われないのですか。
Q19 個人年金保険の年金支払開始後(支払期間中)に生命保険会社が破綻した場合の補償はどうなるのですか。
Q25 生命保険会社が破綻した場合、どのようなことに注意したらいいのですか。

ということで、万が一、破綻ということが起こっても、保障がゼロになることはありません。
悪い生保の外交員が不安を煽って解約を勧め、自分の実入りになる商品に乗り換えさせるということが屹度起きると思いますが、軽々にその話に乗ってはいけません(ちなみに、生保の外交員が、格付の一覧表などを持ち歩いているだけで、金融庁の処罰の対象となります)。
破綻した時の損と、保険を乗り換える損とをきちんと秤に掛けて、判断しましょう。
破綻した場合、保障額が何割減額されると想定するか、それがポイントでしょうか。

私の記憶では、個人年金が半分に減額された例が最悪だったのではと思います。
3割程度の減額が、一般的だったでしょうか。
契約者の被害が一番小さかった例では、2割程度の減額といった場合もありましたし。
生保の財務内容の痛み具合、契約日、保険商品など、様々な要素で減額幅も変わりますので、はっきりとした目安はないのですが、まずは慌てないことです。

もっとも、不要な商品なのに、何となく加入してしまって、だらだらと続けている契約は、良い機会ですので、整理をした方が良いかもしれません。

ちなみに、解約の書類を生保に提出しただけでは、まだ解約になりません。
生保の内部処理を経て、解約とならない限り、契約は生きています。
つまり、解約の書類を提出しても4営業日ほど処理に時間がかかるため、その間に破綻してしまうと、解約の書類は出したけど、結果として解約できなかったということになってしまいます。
これまでの破綻でも、運の悪い方は相当数いらっしゃいました。
ご注意下さい。

とはいえ、例えば、今日、格付が下がった生保が数社ありましたが、下がったとはいえ、充分に高レベルな格付は維持されています。
生保格付の分布状況 一覧」をご覧いただければ一目瞭然ですが、はるかに低い格付の生保がたくさんあることが分かるでしょう。
で、これまでの破綻から言えることは、格付の低い生保から順番に破綻していったこということです。
その点からも、慌てないことです。

ただ、保険プランの見直しには良い機会かもしれません(今回、格下げになった生保の主力商品を見た場合、他生保と比較しても、それほど安い訳でも、特色がある訳でもありませんので)。
単に皆さんが、TV-CMで、良い商品とか安い商品とか、刷り込まれていただけですから。

それともう一言。
こんな状況ですと、格付が一番高いところが安心と短絡的に考えがちですが、S&Pの格付で一番高い格付(AAA)を持つ外資系生保(マニュライフ生命)は、第百生命が破綻して身売りをした生保です。
そして、その破綻が一番減額幅が大きかったように、私は記憶しています(個人年金が、ほぼ半分にまで減額された例などの相談も受けました)。
つまり、一番契約者に迷惑を掛けた(信頼を裏切った)生保と言えなくもないのです。
このように、「格付が高い=安心」とまでは、単純に割り切れないのです(もっとも、選択するなら「AA」以上の生保が妥当でしょうが)。

と言う訳で、繰り返しになりますが、慌てないようにご注意下さい。
以上、本日の格下げについての感想を、私なりにまとめてみました。


生命保険コンサルティングのご案内
http://www4.plala.or.jp/anshin/8_muryou_day.html


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