連合は12日、産業別労働組合(産別)を交えた幹部会合を東京都内で開き、立憲民主党と国民民主党が結党に向けた手続きに入った合流新党を支援する方針を確認した。国民の玉木雄一郎代表が11日に「分党」により合流慎重派で新党を作る意向を示したことに関し、神津里季生会長は会合後の記者会見で「一つの『大きな固まり』を追求することに我々は価値観をずっと持っている」と述べて不快感を示した。
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神津氏は会見で各産別が支援する「組織内議員」に関し「一つの大きな固まりの中で、私どもの政策をしっかり主張し実現することに力を振るってほしいということが、きょうの(幹部間の)申し合わせの最もコアな内容だ」と述べ、新党に加わることを促した。
神津氏は「分党」方針を疑問視。立憲と国民の幹事長間協議で合流案が固まっていたことを念頭に「労働運動はとことん議論して決めたことを守るのが基本原則だ。どうしてそうなったか分からない」と指摘した。
会見後、神津氏は立憲の枝野幸男代表、玉木氏と相次いで会談し、枝野氏とは連携を確認。玉木氏は分党に理解を求めたが、神津氏は「分かりにくい。分かりやすく伝えてほしい」と注文を付けた。
玉木氏は会談後、記者団に「私たちも連合の政策をしっかりと推進していく政党として頑張りたい。当然連携は取っていきたい」と述べるにとどめた。だが連合は玉木氏と距離を置きつつあり、合流慎重派による新党への参加議員は減る可能性がある。
旧民主党や旧民進党の代表を務めた岡田克也元副総理は12日の記者団の取材に、2017年衆院選の際に旧民進党が「希望の党」への合流を決議した後に小池百合子代表(当時)から「排除」された議員らが立憲を結党した経緯に触れ、「早く元(の一つの政党)に戻さないと、と言ってから3年近くかかった。それだけ排除をした側とされた側の確執が簡単には癒やされなかったということだ」と指摘した。