三重県は7日、10―90代の男女23人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。うち四日市市内の50代男性医師が重症。県内の感染者は延べ212人となり、今月に入ってから発表された感染者だけでも111人に上った。 新たな感染者は、四日市市6人▽桑名市3人▽亀山市1人▽鈴鹿市5人▽津市2人▽松阪市1人▽名張市1人▽伊賀市4人―で、6日の検査結果で判明。うち10人について感染者との接触が確認されている。 四日市市によると、重症の男性医師は集中治療室で治療を受けている。1日から発熱と解熱を繰り返し、6日に症状が悪化して救急搬送された。搬送先の医療機関で抗原検査を受け、感染が判明した。 この医師は、1日午前まで市内の診療所で患者の診察に当たっていた。市保健所は医師の家族2人を濃厚接触者として特定し、診療所のスタッフや診察を受けた患者らに対する接触者調査も進める。 20代女性看護師の感染が判明している主体会病院(同市城北町)では、同市の50代女性看護師と入院患者の70代女性の感染が新たに判明。2人は女性看護師の濃厚接触者に特定されていた。 この病院について、市は「現段階ではクラスター(感染者集団)ではない」としているが、県は複数の県職員を市保健所に派遣し、県に派遣されたクラスター対策班の1人と共に接触者調査を支援している。 新たに判明した感染者のうち、四日市市の50代医師男性▽亀山市の40代会社員男性▽鈴鹿市の40代会社員男性▽同市の30代会社員男性―は県外への訪問などがなく、感染経路が分かっていない。 クラスターが発生した三重大医学部では、感染者の接触者に実施した検査のうち、6日の判明分は全て陰性だった。一方、県は感染者が確認された学内の演習関係で検査対象を広げるなどし、調査を続ける。 また、県は5日に感染が判明した名張市の男児が通う保育園の園児や保育士ら23人に実施した検査の結果が全て陰性だったと発表。「男児の接触者に対する検査は全て終了した」としている。 鈴木英敬知事は7日の記者会見で、県内の感染者が200人を超えたことについて「大変に厳しい状況だと認識している。県民の協力を得て、なんとか感染の拡大に歯止めを掛けていきたい」と述べた。リクナビNEXT