北の森で仕事をしてる時に見かけたフェルタ持ちの旅人さんを帰化させ、フェルタ持ち仲良しさんとくっつかせるため仲人にも奮闘中のミア。
待ち合わせ場所の深い森に向かってたら、近衛さんたちが群がっていた。
(なんだろう…?)
そっと近づくと、近衛さんたちはハッとして、それぞれ探索に向かった。
(え、なになになに?)
「あの…何かあったんですか?」
先輩に恐る恐る聞くと、
「あ、マンサーノさん。お疲れ様」
と軽くあしらわれた。
先輩は私に背中を向けて瘴気の森へと歩を進める。

何かが心に引っかかっていたが、仲人に集中することにした。

仲人を終え、ゲーナの森へ向かう。
すると、テオドーロくんを見つけた。
普段なら飛びついて一緒に探索するが、今日は気分が乗らない。
それと……なんとなく1人になりたかった。


モヤモヤした気持ちを抱えながら魔物を倒していく。
ゲーナを踏破し出てくると、また近衛さんたちを見かけた。
(…今度こそ)
「皆さんお疲れさまです!今、なにをされているんですか?」
しばらくの沈黙の末、言葉が返ってきた。
「マンサーノさん、ちょっと来てもらっていい?」
腕を引っ張られて連れてこられたのは、普段からあまり人がいない場所、水源の滝。
「あ、あの、せんぱ…」
「うるさい、黙れ!」
普段は温厚な先輩からは想像も出来ないような顔と声だった。
「……え?」
「所詮帰化した旅人の娘のくせに!魔物の討伐もせず日々友達と遊びに明け暮れてるくせに!なんでお前がローゼル近衛騎士隊にいるんだよ!!努力も何もしてないくせに、エルネア王国の伝統ある歴史を汚すんじゃない!!!!」
その時私の中で、何かが切れた。

__2019.09.07__