ネイリストにとって、物販や広告は大切な業務。昨今の「サプリメント」問題や、ステマといった「広告の規制」についての報道を目にすると、つい“うちは大丈夫?”と心配になってしまいますよね。
“これはOK?これはNG?”と、迷う場面も多いのではないでしょうか。
そんな中、消費者の安全を第一に、法律に沿った「ネイル事業者適正広告ガイドライン」を作成しましょうという動きが!今回は、ガイドライン制定に向けた評議会にも参加されているANSEM運営事務局の鹿野恵先生に詳しくお話を伺ってみました。
NG広告の判断はどうする?
さっそくですが鹿野先生、なぜ今、ネイル業界に「ガイドライン」が必要なのでしょうか?
鹿野先生:現状ではネイル事業者が守るべき広告ガイドラインがないため、広告する際には各自で判断しなければなりません。美容業に関わる法律についての知識が不足していることにより、意図せず違反広告を掲載してしまう事例も多くみられ、消費者トラブルや事故が増加しています。
薬機法や化粧品団体の広告適正ガイドラインは、“化粧品”(爪用化粧品しかり)を扱う上ではぜひ知っておきたいルール。でも、筆者を含め、この辺りのことをネイルスクールなどでしっかり習ったという人はほとんどいないのでは?と思ってしまいます……。
「違反行為が増えてしまうと業界全体の信頼性低下につながり、業界発展の妨げになる恐れもあります。」と鹿野先生。確かに一度よくないニュースや噂が広まってしまうと、お客様がネイルの楽しみから遠ざかってしまう懸念が。業界全体が今、変わらないといけないタイミングなのですね。
鹿野先生:ネイル事業者の違反行為を防止し、消費者へ安心できる技術とサービスを提供するためには、法律に則したガイドラインの制定が急務。ガイドラインに準じたサロン運営をすることで、消費者の安全確保やネイル業界の信頼性向上に繋がると考えています。
ネイリストのための共通認識、ガイドライン。迷いの多いサロン業務がずいぶんクリアになりそうです。
拡がるネイリストの役割
ところで先生。評議会って、いったいどういった内容を話し合われているのでしょうか?どんな方々が参加されているのかも気になります。
鹿野先生:前回の評議会では各分野の有識者の皆様をお招きし、ネイル業界の現状を共有させていただきました。
先生によりますと、日本爪肌美容検定協会(ANSEM)を含む業界団体に加えて、議員や医師、化粧品開発者や広告関連会社など、さまざまな分野の専門家が有識者として参加されたのだそう。
鹿野先生:「ネイル業界をより良くしていきたい」「お客様へ誠意をもって安心できるサービスを提供したい」という想いを強く持つ業界団体からは、老人介護施設等でのネイルケア、子どもの爪噛みに関する行政活動、アピアランスケアなどの日頃の取り組みから考えるガイドラインへの提案が出されたのに対して、有識者の皆様も積極的に意見を述べてくださいました。
見た目のオシャレだけでなく、医療との連携など“ネイリスト”に求められる役割は今後ますます広範囲になるといわれています。ガイドラインの制定は、ネイリストが多様なシチュエーションで活躍しやすい環境づくりにもつながるのですね。
評議会の雰囲気は「適度な緊張感がありながらも和やか」としながら、「有識者の皆様には、ガイドライン制定への熱意が十分に伝わったと思います。」と鹿野先生。また、「専門的な視点や各業界の情報など多くのご助言をいただけたおかげで、ガイドライン完成に近づいています。」と、進捗についても言及してくださりました。
制定が待たれるネイリストのための広告ガイドライン。今後の動きにも目が離せないですね。
“知り、理解すること”が大切
最後に、全国のネイリストに向けて伝えたいことはありますか?
鹿野先生:ネイルの技術は学べても、ネイリストに関わる法律を学べる機会は少ないかもしれません。ですが、知識不足によって知らず知らずのうちに違反行為をしてしまうことも起こりえます。自分自身を守るためにもお客様を守るためにも、美容業のルール・広告のルールを知り、理解することが必要です。
ネイル事業者等適正広告ガイドラインは、ネイル事業に関わる全ての人が指針としてご活用いただけるものです。法律や業界基準を知るきっかけとなり、信頼できるネイリストであるためにお役立ていただければ幸いです。
よくわからないまま広告を出す。ほんの些細な判断が、違反行為となってしまうこと。これはどのネイリストも人ごとではありません。
鹿野先生がおっしゃる通り、プロとして、自分自身もお客様も守り抜くために。「知り、理解すること」の重要性を、まずは意識することからはじめたいですね。もう目をつぶってはいられません。
そして判断の基準がわかれば、もっと広告に工夫ができ、ネイリストとしての業務にも拡がりが生まれる可能性は存分にあります。ガイドラインが、よりポジティブに活動するための道標になってくれるはずですよ。
「ネイル事業者適正広告ガイドライン」について新たな動きがありましたら、こちらのブログでも随時ご紹介していきますー。
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