競泳選手や昔選手だったスイマーを対象としているわけではなく、ここではむしろ一般スイマーと呼ばれる“おもしろそうだから始めた”“30代になってかっこよく泳ぎたいから”“40になって友達に誘われてね~”“50歳になって旅を楽しみながらついでに泳ぎたい~”などの方々に参考になればと記述するものです。
泳力の無い人も・あんまり速く泳げない人も・年齢のいった人もみなそれぞれの目的意識を持ってOWSを楽しんでいただきたい。加齢によって体力が落ちたからといってあきらめる必要はありません。その分知識やテクニックでカバーできるのがオープンウォータースイミングなのですから。

システムトレーニングの構成要素
システムトレーニングとはアメリカのロブスリーメーカー博士が提唱したトレーニング法ですが、要はあなたの泳力レベルや目的によって異なり、トレーニングプランは1年から最大で4年のスパンで設定されるものです。それは全体の中で6つの基本的カテゴリーに分類して示されるものです。
※一部引用: Training for Serious
Athletes by Rob Sleamaker
第一のカテゴリー:パフォーマンス
あなたが出場を予定している種目での予想タイムや順位を当面の目標として記載してみる。これらの目標はとても実現できないようなものでなく、達成可能なものにしてくださいね。
初めて出場される方は具体的な順位やタイムではなく“完泳すること”を目標にしてください。OWSは開催場所や当日の状況次第で常に一定したタイムがでるとは限らないことも理解しておくこと。
第二のカテゴリー:身体的準備
現状での体力・筋力そして強化したい箇所・身体の発達への正しい知識。
例えば長距離スイマーなら安全でかつ効果的な“無酸素運動能力”の基礎を身につけるより先に“有酸素運動能力”を高める必要があります。身体的準備は、このオフシーズンにマシーントレーニング室にいって直接インストラクターと相談して、3~4ケ月でどの筋肉(箇所)を強化してゆきたいか・その為のトレーンニングはどうすればいいかなどをしっかりと話し合ってください。
第三のカテゴリー:心理的準備
オープンウォータースイミングは70~80%がメンタル部分であると言われます。
初めてレースに出場される方は海への不安や恐怖心を取り除いたり、レース前に過度なストレスや寝不足などは絶対に避けること。いずれにしても少々なことではあわてずにどんと構えて前向きに受け止めること。但し、絶対に無理はしないこと。常に余裕をもってね。

第四のカテゴリー:スイムテクニック
泳力向上のための体の姿勢つくり・ストロークの改善(フォームの矯正など)
OWS独特のヘッドアップスイミングやドラフテイング・波の掴み方・チェンジオブペースなどレースに即した練習する。これらのワークアウトは一人ではなかなかやりにくいものなのでチームあるいは仲間などと一緒に行うようにしてください。
第五のカテゴリー:レース戦略
これはレース全体戦略のこと。
どの位置からスタートして、第一ブイまでどのようなペースを保ち、中間地点で相手選手との間合いを計りながら抜き去るチャンスをうかがうなどの具体的なレースを想定した全体プランを立ててみること。当然予測し得ない状況が発生することもあるが柔軟的な考えを持っていればそれに即した対応が可能なのである。レース時期が近づいてきたら海でのレースを想定してなるべくビジュアルで頭に描きながらレース戦略を練ること。
第六のカテゴリー:基準設定
それぞれの段階でその進行度を測りその都度検討を加え、最善の基準をその都度設定する。
あらかじめ1時間泳などで自分のペース配分や距離に応じたスピードなどを確認しておくことも重要です。プールでのトレーニングにおいては25mあるいは50mであなたのストローク数とスピードの相関関係についてペースクロックを見ながら確認し、身体に覚えこませること
以上のように1年間の目標をカテゴリーごとに設定し、実現する。そしてそれらを基準にして具体的な目標設定をおこなってゆくのである。コーチにたよるだけでなく、ただ毎日漠然とプールにいって黙々と泳ぐだけでなく、自分の目標を設定して確実にそれらをひとつひとつ達成してゆけばおのずから泳力は向上するし、タイムも上がる。****誰でも出来るシステマテイックプランつくり。***あなたも出来る。まずは自分自身の表を作成しよう
2010年のあなたの目標を設定しよう。