誰でもできるトレーニング計画のすすめ
シーズンを迎えるにあたって、「どうやってトレーニング計画を立案するの?」
「どうしても仕事の合間に練習をおこなうので効率的な方法を教えて」との問いに今回、「気軽に誰でもできるトレーニング計画」をご紹介します。
仕事や家事の合間にトレーニングをやらねばならないのでもっとシンプルにわかりやすく計画を立案してその計画をスムーズに達成できることを念頭に自分のトレーニング計画を作成すること。
●いろんなスイマーがいればいろんな練習法がある
スイマーもいろんなレベルのスイマーがいて、ビギナーからエリートスイマーまでいろいろ。基本的な考え方はみな同じなのですが、実際に役に立つトレーニングプランの内容はそれぞれの個人にあったものであるべきで、皆それぞれが違うもの。
例えばビギナーはひとつひとつ自分のレベルや身体能力に見合ったゴールを目指して
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楽に
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達成可能なレベルからステップ・バイ・ステップで始める。
特に持久力・耐久力が必要なオープンウオータースイミングは段階的に計画されたトレーニングシステムがすべてのレベルで必要なのです。
●5つの期間;シーズンを大きく5つの期間に区分してみる
(1)基礎期間:
まず体力づくり。あなたの弱点を理解して矯正すべく、筋力アップや心肺機能の強化です。
スポーツクラブ等でインストラクターと相談のうえ、マシーンなどを利用して筋力強化をおこなってください、また自宅などでストレッチコードなどを利用したチューブトレーニングをおこなうのもよい。
そうはいっても人間のやること。「あ~・やる気はあるけど行動が伴わない」「つい食っちゃ~寝る・飲んじゃ~練習しない」なんてことになっちゃうのですよね。だから一人でやるよりも仲間を見つけてグループにやる事を意識してスポーツクラブに通うクセをつけること。暇を見つけたらとにかくスポーツクラブにゆけと。そこへゆけばきっと同じ志を持った仲間がいるものです。
(2)集中期間:
基礎体力が出来上がったら、次は可能な限り長い距離を泳いで週間・月間で○○kmを泳ぎこむという目標をたてる。
“量のスイムトレーニング”をおこなってください。一定のペースで安定した泳力を養成する。
安定した基礎泳力の向上です。フォームやかっこなど気にせずにたくさん泳ぎ込む。
まわりにひんしゅくを買ってもかまわん。泳いで・泳いで・泳ぎぬけ。特にビギナーの人などは距離をこなすことによってある程度水中での姿勢ができてくるもの。
水に同化するボデイポジションというか水の抵抗を受けにくくなるストリームライン等が身についてくるよ。(フォームの矯正はそれからで大丈夫・心配なし)。
(3)ピーク期間:
シーズンがだんだん近づくにつれて量から“質のスイムトレーニング”に切り替える。
具体的にはレペテイション反復(100mx10本)を30秒レストであるいは(50mx30本)15秒レストで。
イージーハード練習・デセンデイング・ネガテイブスプリッツなどなどを通して距離に応じた自分のレースペースを確立すること。自分のスピードに見合ったレースペースの確立が重要です。一見矛盾するようですがオープンウオータースイミングでは安定した一定のペースで泳げるイーブンペースと実際のレースで一気に飛ばす場所と一定のリラックスしたペースで泳ぐことを組み合わせた『スピードの変化』をつけたスイムペースの両方を学ぶことが重要。
(4)競技期間:
スイムレースは複数大会を選んで出場する。その場合、最重要視する大会に照準を合わせ、徐々に泳ぐスピードの向上を図ってゆく。ひとつひとつのレースは出場前に必ずレース戦略をたてておくことが重要。
ビジュアライゼーションといって出場前に自分が出場することを想定してレース会場到着からレース召集・スタート・レース中・レース後にわたって各シーンを画像でイメージしてみる。
不安な点や不明な点があれば書き留めておく。質問等はレース説明会等で積極的に質問する。
(5)休息期間:
大会が終わったあとは、その結果を(タイム。着順)等を確認しながら成功した点・達成できなかったことなどを箇条書きにしてじっくりと次の目標を立案する。
この期間はゆっくりと心身ともにリラックスし充分な休息をとること。レース後に実際のスイムがイメージと異なった点などについて自分で検証し、改善することによって次回のレースは格段の差がでてくるはず。
それぞれの期間については、当然あなたの経験度や体力・泳力・体調・そしてレース期間の長さ(年間どれくらいのレースに出場するか)によって異なります。それぞれのステージにおいてどのようなトレーニングを積んでゆけばいいか。ステージごとに体力の増進や筋力アップなどをおこなって競技の日に最高のコンデイションにもって行くことを理解してください。
特に忙しい人はこの期間を短期にして2~3ケ月サイクルで体調を整えてゆくことも可能です。
気をつけなければいけないことは短距離などの選手と異なり、持久力・耐久力を必要とするオープンウオータースイミングはそれだけ長い期間の調整が必要で、体調をベストの状態にしてゆくのは時間がかかるということを理解してください。
参考資料:Serious
Training for Serious Athletes by Rob Sleammaker