効果的なスピードを得るために
通常のトレーニングの中で、あなたは心拍数を確認しながら(心拍数をある一定の範囲内で上げたり下げたりして)おこなうトレーニングセットに慣れ親しんでいると思う。
また一定の距離を泳ぎ込む時、心拍数を確認しながら“ストロークカウントセット”を行うこともあると思う。通常よりもストローク数を少なくして(ひとかきを出来るだけ長く・効果的にかく)・なるべく抵抗を少なく効果的なストロークを行う。そして長い距離を泳ぐときにも100m(ひとによっては50m・200mもあるが)のラップタイムに注意して泳ぐようにしている。最近の傾向として心拍数を130~140の間で泳ぎ続けることがもっとも効果的なストローク&スピードを生むと言われる。
パワフルフリースタイルの秘訣
効果的なスピードを上げるための方法として、「オープンウオーターではパワーよりもストリームラインや心拍数をあげずに効果的なストロークを」と言われていますが、だからといってパワーのあるダッシュ力が必要ないかといえばそれはノーです。
周りの混雑から抜け出す際や、最後のゴール前での接戦などではやはりスピード勝負となります。
そのパワフルフリーの秘訣をDr. DividCostill はThe Secret to a Powerful Freestyle の中でこう述べている。
「スプリントは半分以上の確率で上半身の筋力によって勝負が決まる。プルを行うための最大筋力を有するスイマーはそれによって“身体が沈んでしまう”ことに打ち勝つことが出来る。」
「マスターズスイマーの調査では25mのスプリント競技において最大筋力を持っていたスイマーがタイムも一番速かったという事実」
「スプリントが苦手で遅いということはあなたの上腕筋とパワーが足りないことの証明でもある」。
それではどうやってその筋力を決めるのか?
水中で推進力を増す能力は「筋肉のサイズ」とその「筋肉を効果的に生かす能力」で、筋肉のサイズとは主に上腕部と肩のことである。
悲しいことに人は年を取るにしたがって筋肉量が減少する。その衰えてゆくことを少しでも遅くし・度合いを低減するために日々のトレーニングを行うのである。それもプロテインなどの栄養剤を服用しながらより大きな筋肉を目指してがんばる。
だからといって大きな強い筋肉を持っていれば速くて優れたフリースタイルスイマーであるのかといえばそれは保証できない。その筋肉を効果的に利用できないならばそれはいくら練習しても速くはならないのである。よく筋肉モリモリのトライアスリートを見かけるが、彼らがみな速いのかというと彼らは競泳選手としてのスキルが劣るためにそうではない。彼らは筋肉を増強するトレーニングをするよりはスイミングメカニズムやテクニックをより向上させることに集中するほうが得策なのである。と彼は述べている。