オットが出張中なので、ここぞとばかりに一人映画館へ。
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戦況が悪化する1943年、学生に対する徴兵猶予が停止され、東京六大学野球が中止に追い込まれる。学業なかばに徴兵されてゆく若者たちに最後の思い出をと、慶應義塾塾長・小泉は、早稲田大学野球部顧問・飛田に早慶戦を申し込む。この申し出は、両大学の学生たちに大きな希望をもたらすが……。
監督:神山征二郎
出演:渡辺大、柄本佑、和田光司、脇崎智史、片山享、中村俊太、原田佳奈、柄本明、宮川一朗太、三波豊和、山本圭、藤田まこと、富司純子、石坂浩二
配給:シネカノン
2008年 日本
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号泣でした。
「どうせ慶應と早稲田の話しだろ」
と思われて、なかなか早慶および野球関係以外の人には興味のわかない映画なんだろうけど。
早慶戦を軸にした戦時中のきちんとした普通の人の生き様のお話です。
「どうせ死んじゃうんかもしれないんだから、
好きな野球くらいやらせてあげよう」
教育者のあるべき姿。
生徒のため意志を貫く姿が本当に立派でした。
戦争ってなんなのか。
誰が誰のために戦うのか。
もう二度とこんなこと繰り返しちゃいけない。
と言っている今この瞬間にも、世界のどこかで紛争は起こっていて。
自分の無力さを感じて悲しくなります。
演技力やら演出のくささはこの際置いておこう。
志半ばで戦地に赴いた若者やその家族の想い。
野球映画としてじゃなく、そうゆう映画だと思って貰えるといいな。
個人的に思い入れがありすぎる早慶戦。
3年・4年は早慶戦どころか六大学野球の慶應戦は全部観てます。
懐かしいなぁ。。。
そんな事情もあり、この映画はなんだか湧き出るものが多すぎて涙が止まりませんでした。
あんなに大好きな野球なのに、戦争なんて理由でやめなきゃいけない。
それどころか自分も戦場に行かなくちゃいけない。
野球が大好きすぎる人を知っているだけ、その気持ちが痛いほど分かってより悲しくなりました。
「小泉体育賞」という賞が存在するのは知っていました。
映画では小泉塾長は石坂浩二が、飛田顧問を柄本明が好演。
優勝するともらえるやつだよねー、的な認識だったけど、
この映画を観て小泉さんってこうゆう人だったのかとやっと実感。
傍で見ているだけの杏には全然ありがたみなく
むしろ授賞式とかに時間とられて困っちゃうわ位に思ってた賞でしたが。
小泉さん、やるじゃないですか。
慶應では塾長(いわゆる校長)ってなんだか妙に愛される存在です。
一般的に自分の学校の校長、ましてや大学の校長の名前なんて知らないものだと思うのですが、
私みたいに大学から慶應って人でも名前くらいは知っている。
普通は校長の挨拶って長くて説教くさくて面白くないかったるーいものだけど、
塾長の挨拶は長さも適度かつ内容も面白く、でも学生に迎合している訳ではない。
今でも早慶戦では学生席で生徒と混じって応援してたりする。
そもそも塾長なのに「安西さん」とさん付けで呼ばれてたりする。
ま、慶應では先生は福沢諭吉だけで、他は教授でもなんでも「君」付けで掲示されてるのも関係するかもしれないけど。
塾長の愛され具合って、この早慶戦から始まり代々引き継がれてきたものなのかな。
そんなことを思ったりして。
馴染みのありすぎる慶應のユニフォーム。
劇中で一塁を駆け抜けておっとっとと戻ってくるシーンがありました。
足元しか写ってないシーンだったけど、突然脳裏に走塁している彼の姿がよぎり。
神宮の椅子の硬さとか、空気の冷たさとか、大歓声の中にいるような感覚が。
本当に楽しそうな彼の姿や、野球してる時だけやたら高い声とか、あの笑顔とか、彼のいろんな悔しさとか嬉しさとか、そんなものが一気に蘇りました。
本当に本当に大好きだったなぁと思い出しました。
結局いろんな事情に負けて別れましたが、事情が大きすぎて押しつぶされてしまい、当時を思い出すと辛くて悲しくてやるせないマイナスな感情ばかりが顔を出してしまうから、自動的に心の奥の隅の隠れた場所にしまい込まれていたやさしい気持ち。
本当なら一番大事で、何十年経っても思い出したいのはこっちの気持ち。
きちんと思い出せてよかったな。


