以前の記事でご紹介した「君のためなら千回でも」
やっと観てきました。
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『君のためなら千回でも』(公式サイト)
アミールは兄弟のように育った使用人の息子ハッサンとの間にできた溝を埋められぬまま、ソ連侵攻の折にアメリカに亡命した。そのまま時は過ぎ、作家となったアミールの元に、パキスタンにいる知人から1本の電話が入り、故郷に向かうことになる。
原題:THE KITE RUNNER
監督:マーク・フォースター
出演:ハリド・アブダラ、ホマユン・エルシャディ、ショーン・トーブ
配給:角川映画
2007年
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もっと単純な子どもお涙頂戴映画かと思っていました。
でも、ヒューマンドラマというよりは政治ドラマの面で衝撃が大きかったです。
前半は主人公アミールがハッサンを裏切ってしまう話がメイン。
最初のうちはかわいい少年二人の友情話。
アフガニスタンのカブールが舞台。
花があふれ美しく活気に満ちた街。
男性は威厳たっぷりで女性も美しく着飾って、カフェでお茶したり、市場ではたくさんの動物や野菜が並ぶ街。
街で1年に1回行われる凧揚げ大会。大会というか合戦。
あんなに街中で凧をあげられる空を持っているアフガニスタンにびっくり。
日本じゃ電線だらけで凧揚げなんて出来ないもんなー。
つかの間の平和な時間。
が、ハッサンの身の上に起こる酷い出来事。
ほんと、悪い奴って何をしたら一番傷つけられるか良く知ってる。
そこでハッサンを助けられないアミール。
アミールの情けなさ・弱さ・卑怯さが悉く自分と重なって、アミールを憎むに憎めません。
人間ってやっぱり自分がかわいいんだよ。
それが普通なんだよ。
でもそうじゃなくて自分を犠牲にしてでもアミールを守ってくれるハッサンがいつもいて。
自分の弱さをまざまざと見せつけられて、本当に辛いんだよね。とやたらアミールに共感しながら観てしまいました。
で、ハッサンを助けられない自分も許せずそんな状況に追い込んだハッサンも許せないでいるまま、アフガニスタンにロシアが侵攻。
ここからどんどん政治ドラマ色が強くなります。
大人になったアミールが戻るアフガニスタンは、ロシア侵攻を経て、タリバンの統治下に。
あの美しかったカブールは廃墟と化していました。
片足を失った人や全身を布で覆った女性、ヒゲをこれでもかと伸ばした男性がひっそりと怯えながらこそこそと暮らす街に変貌。
TVのニュースでしか知らないアフガニスタン。
9.11のテロで一躍有名になったタリバン。
その程度しか知らなかったアフガニスタンのあまりに酷い状況に言葉を失いました。
映画の中で描かれている孤児院の劣悪なんてもんじゃない環境。
サッカーをやっていたスタジアムで余興のように行われる「裁き」
どれもが平和ボケしてる杏には、ものすごい驚きでした。
結局のところ貧乏人の子どもばかりが救われずに大人の都合に振り回されて、耐えがたきを耐えているんだなー。
贖罪がテーマなのかもしれませんが、そんなことよりこっちの衝撃の方が大きかったです。
世界の警察アメリカがアフガニスタン侵攻して、今はタリバン政権は崩壊している。
いったい今日のアフガニスタンはどんなところになっているんだろう。
そして、日本のすぐそばの北朝鮮でも同じような目にあってる子ども達がいるんじゃないか。
そんなことばかり気になってしまいました。
大人の方の物語は美しくまとめられてる感は若干否めませんが(特に最後のセリフ)、人間の弱さと強さの両方がしっかりと描いてありました。
自分が弱い杏は弱い部分ばかり共感してしまいましたが、ハッサンは「なりたいけどなれないけど、少しでも近づきたいな」と思える素敵な人間でした。
そして、強い人代表選手のような威厳あるアミールのお父さんにも、弱い部分があったんだ。
というの部分がベタでありつつも、さすがマーク・フォースター監督×サム・メンデス製作総指揮でした。
あぁ、長い記事になってしまいました。
涙さえ出ないほど衝撃的なアフガニスタンでしたが、一見の価値ありです。
ぜひ映画館にて。
原作も読んでみようと思います。
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