鹿児島工業の11番の今吉君は最高です。早稲田実業に負けてしまったけれど、本当にいいチームで、もっと試合が見たかったです。なぜか!今吉君は私の気持ちをザザザーんと波のように寄せ付ける!うぉーーー!とさけんで代打に出て来た時なんて、ひとりで『うおおおー!今吉くん行けーー!』と叫び、早実のピッチャーの斉藤君が、過剰に力み始めた時も『いいぃっほーーぅ!』と盛り上がり、今吉くんたち鹿児島工業に勝ってほしいと祈ってました。さいとうくんは、ひょうひょうしてて、巧いピッチャーだな、高校生と思えない心の持ち主!と思いました。でも、今吉君のなにがいいかって、人を明るい気持ちにさせてくれたことです。いつも笑顔で、チームメイトに坊主頭をたたかれ、みなの気持ちをなぁんかいい方に持っていってくれる。監督の言葉をマウンドに伝えに行って、頭ぺしぺし叩かれて帰ってくる人見たことありません。しかもまた実況の人、まじめに解説するのでおもしろい。
『監督の指示も特に伝えてないようです』笑 違う!違うよ 解説者。今吉くんは、存在がメッセージやねん!彼がいることで、胸に炎がポウウって灯るねん!なんか元気になれるねん!孤独なはずのピッチャーも、ひとりじゃないよと言ってくれてる気がするねん!酔いどれオヤジみたいになってるけれど、甲子園は本当にいいです。もしも、ドラえもんがいたら、甲子園出場校の生徒になって、涙ながらに、我が校の応援にいそしんでみたいと思うのでした。

 それから最近の出来事と言えば、東京国立博物館に行ってきました。『若冲と江戸絵画展』を見に。どこかで宣伝のポスターを見て、『なんか鶏がスゴい』と思い、気になり行きました。なんでこんな綺麗なんだろうと、実際に見てますます楽しくなって、イヤホンで解説を聞きながら見てました。亀岡規礼と言う人の猛虎図という絵が、虎がそこにいるみたいに、めらめらした感じがして、衝撃です。絵は照明の明るさで、見る時に、表情が変わるよというコーナーがあって…上から照らす照明が暗くなったり、明るくなったりすると、大きな屏風に描かれたそれぞれの絵は、本当に想像力を与えてくれます。白いウサギが浮き立ってみたり、朝もやだった景色が、突然寒い雪のなかに見えたり。角度によって物語が違ったり。
 体験的なコーナーで、未完成の絵に色を塗って、タイトルをつけてみようというのがあったので、一枚手にとり、鶴がたくさん海辺にいる絵だったのですが、黒と赤に塗って、タイトルつけてきました!私のほかに、その、偉大な絵を見に行っておいて、絵を描いてみるという、チャレンジ精神をもった人は、子供ひとりだけでした。
 帰りは、上野は雨でしたが、満足な一日でした。絵画展8月27日までやっています。