すっかりはまってしまった海堂尊シリーズ。
桜宮市の世界観にどっぷり浸かってしまった。
本作では、2点考えさせられる点があった。
一つめは「死」について。
デスコントロールという言葉が出てきたが、
死にたいと思っている人を殺すことは善が悪か。
倫理の問題で言うと、人を殺すことは、
たとえ同意があっても許されることではないだろう。
ただ…
非常に難しい問題だ。
簡単に結論が出せない。
もう一つは、桜宮巌雄の次の言葉。
「人は誰でも知らないうちに他人を傷つけている。
存在するということは、誰かを傷つける、ということと同じだ。
だから、無意識の鈍感さよりは、意図された悪意の方がまだマシなのかもしれない。
このことがわからないうちは、そいつはまだガキだ」
自分の気づかないうちに、誰かを傷つけているかもしれない。
例えば、自分がコンペで競合に勝ったとき、
競合の営業マンの成績が悪くなり、クビにされ、
その家族が路頭に迷う。
大げさか。
ただ、このようなことが連鎖的につながって、
世の中が回っているのは事実。
いつも想像力を働かせることが大事だな。
本書の冒頭で書かれているアリグモの話。
本質はそういうことだろう。
全員がアリグモになりうるのだ。