私は、高校以来、数学にとてつもない苦手意識を持っている。

中学までは得意で、偏差値も70を超えることもあったが、

高校に入って、すぐに数学に関しては落ちこぼれになった。

平均点を取れれば十分だった。


なぜか?


中学までの数学は、公式を暗記し、それを当てはめれば

答えに達する問題がほとんどだった。


しかし、私が入学した高校の数学のテストは、公式の暗記では立ちうちできなかった。

公式を覚えるのはもちろん前提としてあるが、

その公式をどう使うかを試される試験問題だったのだ。

そのため、公式は覚えているけど、その使い方がわからない。


要するに、数学的な考え方がまるでできなかったから、落ちぶれたのだ。


大学受験でも数学を避け、国・英・日本史で入れる私立大学を選んだ。

むしろ、それしか選べなかった。

大学でも数字関連の授業はとらなかった。


でも、ビジネスマンにとって、数字に弱いことは致命的だ。

経済の指標は全部「数字」。

その「数字」を見ただけでは、私にとっては、ただの文字。

そこから何も得られない。


しかし、数学ができなくても、数字の読み方さえわかれば、

ビジネスでは大丈夫なのでは?と思った矢先、この本に出会った。


以前読んだ「発見力養成講座」の著者、小宮氏が書いていたので、

目次に目を通すと、「数学」の本ではなく「数字」の本だった。


「数字力」という言葉を著者は使っているが、

「数字力」とは、単に数字をうまく扱う力というのではなく、

世の中をより深く広く見、物事を論理的に推論し、把握していくための

「ツール」であると同時に、自分の夢やゴールを達成するための「ツール」と述べている。


要するに、数学ができなくても大丈夫。

一つ一つの数字の意味を知り、その数字と他の数字を関連づけ、

その数字が何を示すのかを仮説立てるための武器だ。

そして、数字を具体的に把握することで、目標から逆算した行動に落とすことで、

その目標を実現性の高いものにするということだろう。


この武器を身につけるには、数字に「関心」を持つことだと著者は書いている。

「発見力養成講座」でも述べていたが、やはり物事に「関心」を向けるのはここでも大事なのだ。

「より客観に近い数字感覚を持つには、ふだんから、いろいろなものをたくさん

見ていることだと思います。街に出て、数字に注意して、ものを見ていることです」

常日頃、数字を意識しよう。


数字の見方の基本として

「その数字は全体の中でどの程度の割合を持つものなのか」

「その数字が属する全体の数字はどのくらいなのか」

このように、全体の数字と、パーセンテージをつかむことが大事だとしている。

また、

「他と比較する」ことが大事だとも。


たしかに、一つ一つの数字を見ているだけでは、

その数字がどんなもんなのかってことがわからない。

全体の何%?他に比べてどうなの?ということで、その数字の意味がわかるのだ。


最後に、本の主題とは関係ないが、すごく大事なことが書かれていた。


「漠然としたことばが出てきたとき、さらに深く考える癖が

ついているかどうかが、頭がよくなるかどうかを大きく左右します」


難しい言葉や知らない言葉が出てきたとき、

なんとなく文脈から意味を推測し、流してしまうことが多い。

ある意味、逃げているのだ。

それでは頭はよくならないと著者に怒られたような気がした。