営業という仕事柄、コミュニケーション力が求められることが多い。
体系的にコミュニケーションを学ぼうと思い、この本を手に取った。
著者が専門としている「身体論」を軸に、
コミュニケーションとは「身体」を響き合わせることが醍醐味だと述べている。
「場を積極的で活動的な雰囲気にしたければ、
そこに参加する自分自身の身体をそのようにまずセットする必要がある。
身体が雰囲気をつくっているのだ」
自分のテンションや、姿勢、身体の動きが、より良いコミュニケーションを生み出すのだ。
たしかに、会議などで、皆が机に乗り出して議論をしていると、非常に生産的なアイディアが生まれる。
一方、自分が足をくんでいたり、のけぞったりしていては、
不毛な会議に終わってしまうことが多い。
意味のあるコミュニケーションにしたければ、まずは自分の姿勢やテンションを
それ用にセットすることが大事なのだ。
著者の定義するコミュニケーション力を箇条書きにすると
1.意味を的確につかみ、感情を理解し合う能力(コミュニケーションの基本的要件)
2.相手の言いたいことを的確につかむ能力(要約力)
3.相手と話している文脈は維持しながらも、自分自身の経験知の深みに降りていける能力(対話力)
いくつか著者が提示していたコミュニケーションの技の中で、
「積極的受動性」という概念が、大変興味深かった。
積極的に受動的であれということだ。
要するに、ただぼんやり話を受けるだけの受動ではなく、
自ら、ある情報を得るために、意識的に受ける受動をすべきだということだ。
たとえば、営業シーンで言うと、
お客様の話を、お客様の課題を発見するために、コミュニケーションをとるのだ。
ただなんとなく聞くのではなく、そこに課題解決の糸口を発見する意識を持って聞くのだ。
このような「積極的受動性」を持てば、コミュニケーション力は向上すると思う。
このブログもそう。
ブログに書くという前提を持って、何を書こうか考えながら読んでいるので、
なんとなく感想や参考になる箇所を書ける。
人のプレゼンに質問するときや、映画にコメントするときも、
最初から、質問するぞ、コメントするぞと意識していれば、スムーズに言葉が出る。
意識しよう。
著者は「積極的受動性」に関連して
「再生方式」と「言い換え」という技を提示している。
「再生方式」とは、相手が言ったことを、自分なりにまとめて話すこと。
「言い換え」とは、それより一段上の技で、自分の言葉で言い換えて話すこと。
これらの技を使うために、相手の話を聞くと、聞く姿勢が変わる。
なんとか言い換えてやろう、なんとか再生してやろうという意識で聞くので、
理解度が違うのだ。