思いっきり活字を読める時間に幸せを感じます。
沼田まほかるさんの
「ユリゴコロ」が、心に残りました。
彼女の他の作品は今までも読んで来たけど、
この作品は傑作だと思います。
最初はゆるゆるとすすむストーリーですが
最後まで読むと、そこに見えてくるのは・・・。
日本に帰国する飛行機の中で
号泣していたので
スチュワートに「大丈夫ですか?」と
心配されてしまった、そんな本です。
ストーリーは、主人公の男性が
父親の住む家の押し入れから
4冊のノートに書かれた手記を
読んでしまうことから始まります。
徐々に蘇ってきた記憶と
手記の内容を合わせると
想定される事実とは。
沼田まほかるさんは僧侶も経験
している人だそうで、主人公が独特の
善悪の価値観を持っている作品が多いです。
罪と罰の概念に、唯一の正解なんて
存在しないような気がします。
次々と人を殺す人間に対する
拒絶感、共感、そして愛情・・・
この手記を書いた人物が愛されたように、
私も誰かに愛されてみたいものです。
涙が止まらなかったけど、
それは悲しい涙ではなく温かい涙でした。
明日も素敵な一日をお過ごしください。