昨日の続きです。
たそがれ時、交番を過ぎてあるブロックに足を踏み入れると・・・
民家に見えた一軒家の玄関から、
あたたかそうなピンク色のあかりが漏れています。
行き過ぎながら目に入ったのは、
玄関先に並べられたピンク色のスリッパ。
お雛様のようにこちらを向いて正座している美しい女性。
さらにその横には60代くらいのおばさんが立っています。
一目で何か判りました。
私は女性ですので勧誘はされません。
ですが、気がつけばこのブロックの全ての家が玄関をあけ、
同じ色の光をともしているのです。
表札の傍らには料亭名をあらわす小さな看板が。
町全体が遊郭と言う壮絶な光景を目にしたのでした。
どの女性もお雛様のようにじっと座っています。
少し胸元のあいた服です。
その目はお人形のようでしたが、
静かな諦念を感じさせるものでした。
足早にその土地を離れました。
最初に通った交番の横が「大門跡」で、
一昔前はこの門を閉めて、
逃げようとする女郎を監視していたともわかりました。
この時代に、しかも同じ国で、
いまだにこのようなシステムがあることにショックを受けました。
この独特の暗さを目にすると、
「一体どんな事情でこんなかわいそうなことに」
という気持ちでいっぱいでした。
大阪はたくさんのものが共存する素敵な場所です。
東京と違って、街の向こうにお山が見えるのが、とても好きです。
明日も素敵な一日をお過ごしください。