本日は3月だというのに東京は雪となり、すすめられた夏川草介氏の「神様のカルテ」1巻、2巻をあっという間に読んでしまいました。



お医者様ものですと海堂尊氏の作品は読んでいますが、夏川氏の作品は初めてです。



そもそも映画やドラマにある闘病ものなどは大の苦手。だって、人が死ねば悲しいのは当たり前でしょ。と思って避けていましたが、2冊読んだあとには爽快な読後感を味わえました。



主人公の栗原一止は信州の「365日24時間」受け入れ体制をモットーとする病院の5年目の内科医。夏目漱石を愛読し、夜勤となれば急患がなぜか増えてしまう変わり者の医師。日々激務に追われるなか、医局からの誘いを受け、医療の在り方について思い悩む姿が描かれています。




マカロンのサンクチュアリ  ~ココロは東へ西へ~


地方病院で満床のベッド。医師不足。それに伴う数日にも及ぶ激務。わたしには医師になったいとこが二人いるため、過酷な勤務状況については聞いていました。



当直明けで病院に連泊し、疲労困憊した医師に診察されるということがいかに危険かと思いました。



患者としては、自分の病気についてできる限り調べ、より良い病院と医師を自ら選ぶことが大切です。



そして、いつの日か手の施しようのない事態になったなら、自分がどのような治療を望み、どう死にたいかを明確にするべきだと痛感しました。人は誰しもいずれ、死を迎えるのですから。



また、この小説を読んで何より伝わってきたのは、患者に対する医師の心づもりでした。



私は高校生の時、呼吸器の病気で手術を受けました。不幸にも大学受験と重なり、病院のベッドの上で機械に頼って呼吸を続けました。



結局、通っていた高校の付属の大学をなんとか受験させてもらいました。涙を流す18歳の私を励ましてくださったお医者様は、まるで神様のように見えたのでした。



人を助けることのできる「選ばれた」尊い仕事に就いているお医者様。アドバイスをしてくれる専門家である彼らと、良い関係を築きたいものです。




明日も素敵な一日をお過ごしください。