週末になると Financial Timesに付いてくる別冊、「How To Spend It」が大好きです。
ハイエンドな時計、ジュエリーをはじめ、ヨットなどが美しい写真で紹介され、わくわくしてしまいます。資産管理に余念のない富裕層、マーケットに携わるインベストメントバンカーなどの高額所得者が読者として想定されることを考えると、大変費用対効果が大きい戦略です。
彼らをターゲットとし、最近ではニューヨーク・ウォール街にティファニーをはじめとする高級ブランド店が次々にオープンしています。
ここのところ米国のマーケットは徐々にですが持ち直しつつあり、日本でも数日前に日経平均が1万円台に回復しました。(余談ですが私にとっては日経1万超えは「幸先がいい。何か始めなければ」とブログをスタートするきっかけとなりました。)
しかしながら、富裕層にとっては米国や日本は居心地の悪い場所といえるでしょう。
その理由としては、米国オバマ政権ではブッシュ時代から続く年収25万ドル超の富裕層向けの減税措置を廃止しようとの動きがあります。
中間選挙で民主党が大敗した事を考えますと、共和党の支持者には富裕層が多いため減税打ち切りは難しいかもしれませんが、日本でも管内閣は富裕層への増税を検討しています。この状態では富裕層はタックスヘイヴンなどに移住し、国外への富の流出が懸念されています。
また、日本国内における富裕層向けサービスの低下も散見されます。10月、国際線ターミナル開業に沸いた羽田空港ですが、東京~香港間のJALのファーストクラスは現在運航していません。
ファーストクラスにこだわるとキャセイパシフィックとのコードシェア便が唯一の選択肢となりますが、羽田空港のJALのファーストクラスラウンジを使わせてもらえません。
例えばJALの東京~ニューヨーク便の場合、246席のうちファーストクラスは8席であり、全体のほぼ3%。これは日本の富裕層の割合が2%弱ですので、空席が目立つくらいで丁度良い設定です。支払われる料金を考えるとファーストクラスをなくすことが得策とは考えられません。
かつて日の丸を背負っていたJAL。どんな窮地にあっても富裕層が逃げていくようなサービスはしてほしくないものです。
How To Spend It 今週はクリスマス特集でした。
明日も素敵な一日をお過ごしください。