考えすぎて動けない。
それなりに歳を重ねてきたから、自分の事は、よくわかってる。
自分勝手に、ただ自分の事だけを考えていれば、
彼女に告白も出来ると思う。
だけど、結果がどちらに転がっても、
俺が気持ちを伝えてしまえば、
その後の変化は安易に想像できる。
一社員として、アルバイトを好きになった。
昔ならそれでもよかった。
恋と仕事、どちらを取るか?
比べるものではないけれど、
昔は間違いなく、『恋』と迷わず言えたから。
でも、今は立場が違う。
店長が今月で辞めることになって、
実質的に店を任されるようになった。
店全体を見なければいけない立場になった。
自分の感情最優先で動いてしまえば、
店の人間関係もおかしくなる。
彼女と付き合えるようになったとしても・・・だ。
告白をしてダメなら、それはそれで結果として受け入れるよ。
でも、居づらくなって彼女が辞めていくような状況にはしたくない。
彼女は店の仕事も仲間たちも好きだから、
その環境を俺の一言で奪ってしまうような事にはしたくない。
彼女が俺と付き合ってくれた場合は、まだ救われるかな。
公にするつもりは微塵もないけど、
雰囲気とかで伝わってしまう可能性がないとは言えない。
彼女自身、みんなから好かれてるから、
祝福してくれる人もいると思うけど、
恐らく色眼鏡で見てしまう人も中には出てくるかもしれない。
他にもいろいろ細かい不安要素はあるけど、
俺が告白できない理由の、一番大きな元はそこにある。
≪あなたのそばにいれたら なにも望むものは無い
終わりの無いメロディーのように ずっと寄り添っていたい
あなたのために生きよう 悲しみさえも愛そう
かけがえのない この人のために
僕は愛になろう≫
主題歌のPVを見て、歌詞を読んで、映画を観て、
そして自分の気持ちとリンクした。
彼女と一緒になれたら、したいこと・行きたい場所はたくさんある。
でも、突き詰めて考えた時に頭に浮かんだのは、
『彼女がそばにいてくれたら』
『ただ、彼女のそばにいたい』
その、2つしかなかった。
見つめるたびに吸い込まれそうな、彼女の大きな瞳に癒されて、
その度に、『やっぱり、俺は彼女の事が好きなんだな』と再確認する。
目が合うたび、話をするたび。
・・・何度でも、何度でも。