私は奴に何かしただろうか。
いや、していない。
まず、そんな主人公みたいな事は断じてしていない。
可能性としては小学生の時だけど、こんな奴いただろうか?
自問自答。
しかし答えは出ない。
記憶を封じてしまった私にとって、回想というのはあまりにも辛いこと。
出来るだけ思い出したくはなかったが、でも思い出さなければ。
彼の辛そうな顔を見るのは初めてじゃない。
そう………思えたから。
「大丈夫……大丈夫かい?」
思考の海にどっぷり使っていたらしい。
気付いたら私は夏目に支えられていた。
嫌な汗が頬を伝う。
結構ヤバい状況だったみたいだ。
「大丈夫に……見える?アンタには」
それでも憎まれ口は忘れない。
ずっと、過去に切り込む人はいなかった。
所詮義務教育だから引きこもりでも保健室登校という形で乗り切り、極力ネットに埋もれるように生きて周りとの接触は断った。
世界の全てはパソコンの中だったし、外は恐怖の対象でしかなかった。
またあの頃に戻ってしまうと思うと怖くて仕方なかった。
もしかしたら、私は変われるのかもしれない。
これは契機?