「あんたが雲外鏡?ちっちゃ」
「うるさいわ!」
手に持った鏡で思い切り頭を叩かれた。
痛い。
「でだ。俺の妹はどこだ」
「貴様の妹を探せばいいのか?」
「ああ」
「把握」
雲外鏡は大きく息を吸うと、持っていた鏡を私に向け言った。
「望め。さすれば願いは叶う」
私を睨みながら簡潔に言う。
何でこんなに睨まれてるの。
嫌われているのかな?
それでも、私は出来るだけ笑顔を作って話しかける。
「彼……ええっと名前「粽だ」そう、粽の妹を探してほしいの」
尋ねる前に、粽が不機嫌な様子で答えた。
あれれ?そういや名前教えてもらったっけ?
「それもそうだな。
少年、こちらを向け。そして、願え」
粽は大人しく、雲外鏡の方を向く。
「鏡だけを見ていろ」
雲外鏡は粽の顔を見ながら、釘をさす。
どこか向いたようには見えなかったけど、目線を逸らしたのだろう。
「そろそろ見える」
そう雲外鏡が言ったので、私も横から覗いてみた。
しかし、何も見えない。