風を切って走る私達。
次の駅までは、45分程で着くのだという。
流石田舎。遠いわ。
「でさ、ロリコンの粽さん」
「殴るぞ」
「妹ってどんな子?」
「………まあお前よりは可愛いな」
「やっぱロリコンじゃ……ご、ごめんなさい。本当に気まぐれなんです」
ふざけて言うと、本気で殴られそうだったので、途中でやめて謝る。
自転車運転中にそんな事したら危ないと思います。
私の命が危ないからって訳じゃないよ。
あくまで彼を心配してだよ。
「誰に言ってるんだ?」
「内緒」
結局はぐらかされるばかりで、妹さんの姿諸々は分からなかった。
一つ言えることは、粽がロリコ……。
「殺すぞ」
「すみませんっ」
そっかあ、聞こえているのかあ。
何か面白い。
― ― ―
「俺の事を面倒だとか怖いとか思わないのか」
暫く走っていると、粽がやけに低い声で問いかけた。
ふむ、ここは正直に言った方がいいのかね。
「自分の考えが筒抜けって楽しいじゃない。
それに、私が心の中でガードしていることは見えて無いっぽいから、問題なっしんぐだぜい」
「何だそれ」