私は相手の目を見据えながら、問いかけた。
相手は諦めたように溜め息をつき、前を指差す。
「駅に行くだけだ。
今日東京から帰ってくる妹とな」
「わーお、モノホンのシスコンとか初めて見た」
「誰がシスコンだ、誰が」
彼は私の頭を掴むと、ギリギリと力を込め始める。
「ちょ、待った!
死んじゃう!私死んじゃうよ!」
「そんな簡単に人は死なん」
「やってる本人が言う事じゃないわ!」
何とか頭から奴の手を剥がし、相手を睨み付ける。
「でさ、さっきのシスコンの件なんだけどさ」
「シスコンではない」
「………あー、はいはい。
んーと、妹さんと会う用事だっけ?
私もついて行っていいかな」
「お前は俺の言う事を信じていないのか?
何故お前が行く。
大人しく家に帰れよ」
「いやーさ、家に帰っても鍵開いてないんだよね。
親が二泊三日で旅行に行くから暫く入れないし。
だからお願い。
今日だけは一緒に……っ」
実を言うと、この言葉は嘘半分、本当半分で構成されていたり。
親の旅行は本当だし、家に帰っても中に誰もいないから鍵は開いていない。
だけど、暫く入れないってのは嘘だ。