あなたには
いろんなものが見えますね。
視える…と言った方が正しいでしょうか?
そのいろんなものの中で
人の
過去や未来は
どのように見えているのでしょう?
7年前、
一緒にファミレスで食事をしているときに
あなたはハッとした顔をして
「ごめんね…見ちゃった」
と言いました。
(家族や感情が入った相手のことは見れない…と言っていたけど、
たまには見えてしまうことも分かってました。)
視線が少しあたしからズレていたのと
あなたの辛そうな表情を見て
あたしはつとめて自然に
「何?あたしの背後霊とかが何か言ったの?」
とサラッと聞きました。
(今となっては…あなたに視えるものは、そんな次元ではないと分かりますが。)
あなたはとても言いずらそうにに…
「たくさん泣いてきたんだね」
と言いうつむきました。
あたしは静かに微笑んで言いました。
「過去のあたしがいるから、今のあたしがいるんでしょ?だから…いいんだよ」
悲しい顔をする必要は無いよ…という意味で言ったつもりでした。
心に傷はあります。
でも
それらもだいぶ癒えていたし、
そのままに受け止められるようになっていました。
ホントは時々痛むこともあるけれど…
その痛みにも
耐えられる自分になれたと思っていたから
ありのままでいられたのです。
そして
あなたのことも
そのままに受け入れようと
まっすぐでいられたのです。
自分が泣いた分だけ
人に優しくなれたなら、
それでいいんじゃないか…と思う人間なのです。
辛いことや悲しいことも、
あたしにとっては
けしてマイナスなことばかりではないと
そう受け止められていたのです。
それでもあなたは
いつも目を反らしていましたね。
視えるものではなく、
ただ目の前にあるものを
そのままに見つめていて欲しいと
感じて欲しいのだと
何度思ったか分かりません。
あの時の
あなたの言葉を
今になって思い出してしまうのは…
今が
とても辛いからです。
あらゆることが悲しみの根源となります。
でも…
せめて元気に振る舞っていないと
あたしが消えちゃいそうな気もしてきます。
あなたという存在を意識せざるをえない中で…
あたしは思考や感情も
抑えつけて生きています。
いえ、
それなら…
あたしは、あたしらしくなく…
生きていないも同然なのかもしれません。
何故…こんな風になっちゃったんでしょう?
あの時あなたが見たのは
本当に過去だったんでしょうか?
ふと思った疑問符は、
いつまでも消えません。
今のあたしは
いつも独りで泣いているのですから。