蒸す。とにかく蒸している。



朝から事務所がモワモワ暑い。



あたし…小籠包だったら良かったのに…。



意味不明なコトを思ってしまう今日だった汗







盆前でやたらと慌ただしい中、庫内作業のT山サンが朝からキレている。


あたしは昨日から、彼の様子が気になっていた。


他の作業員やドライバーさんたちが、この暑い中外で、朝から汗だくになって頑張っているというのに…



いつ見ても、彼はエアコンがついてる工場内に立っているのだ。



何で一緒にやらないんだ…と不思議に思っていた。フォークマンなんだから、外の作業が先なのに。。。



仕分け作業もせずに、バインダーを持って、ただ商品を遠くから眺めている。何度通りかかってもだ。



普段でも、ゴタクを並べるばかりで…人の半分も仕事が出来ない人ではあるけど…。



頑張ってる人が、更に頑張って…その人の仕事まですることになる。。。



今日はT山サン、ドライバーO森サンに怒っていた。



「文句ばかり言ってて、他の人に積み込みを手伝ってもらってばかりいるのはおかしい」と。



確かに、O森サンはグチが多い。でも、やることはしっかりやってるし、他の人の手伝いもする人だから、手伝ってももらえるのだ。



それにウチは、助け合い精神が旺盛な人の集まりだ。自分が大変でも、他の大変そうな人を見掛けたら…何も言わずともすぐに手助けする。



そういうところが好きだから…あたしも、忙しい上に安月給だけれど、続けてるってのもあるのだ。



T山サンだって、ココに来て5年以上経つのだし…うちらや他の作業員の人と違って、正社員なんだから…もうちょっと、自分にも厳しくなってほしいと思うのだけど。



まぁ、扱いにくいが故に…色んな事業所で煙たがられて、最終的にウチに来たのだから、一筋縄ではいかないんだけども。


そんなこんな、朝から夕方まで…所長が留守なのをいいことにか、



T山サンは、あらゆる人を捕まえては…O森サンのことを悪く言い、同意を求めようとしているようだった。



ただ、その間、みんな慌ただしく動き回っていて…T山サンは仕事もせずに、くっついて回って喋り倒しているのだ。



あたしも何度か外での確認作業があり、締め時間が迫っていたので、勢いこんで商品コードのチェックをしていた。



みんなが慌ただしくしている中で、T山サンだけが突っ立ったままで文句を言い続けている。



どう見ても、おかしいだろ。滑稽なくらいの光景だ。



腹立たしくて仕方がなかった。でも、誰もどうにかしている時間もなかった。



あたしは、仕事をしつつ、T山サンを一瞥した。


気にも留めていないようなので、体の向きをT山サンの方へあえて向けて、黙々とチェックを続けた。



言いたいことが分かったのだろうか…
急に大きな音を立てながら、空パレットを片づけ始めた。




「やることやってからモノ言えよ」




あたしの独り言が…聞こえてしまったかどうかは分からない。



だいたい、あたしやO倉サンが何度も倉庫や外に行かなければならないのは…誰かさんのいい加減な仕分け作業に起因したトラブルに対処すべく…ということも少なくない。



そんなことも分からずに、目についた一部分だけの文句を言い散らして、仕事もたいしてしないで、気を遣うこともなく定時にあがって、給料もらえるなんて…イイ御身分だこと。



追い込みの夕方、あまりのバタバタに息切れしそうなうちらに…
「今日は早く来たから、早く上がるね」とサッサと帰ってしまう所長と…



どちらとも言えない身勝手ぶりDASH!



ダメとは言えないケド、うちらは…?どうなんの??




「どいつもこいつも」




O倉サンの一言が、かなり気迫がこもってて怖かった。






意外とヤル気はあったのに、やっぱり気分的な疲れは大きいDASH!




だけどあたしは、昼休みに見た…ちょっとした光景に、とても心が和んだからか、何度もそれを思い出した。




40分間のお昼休み。
あたしは、往復20分をかけて自宅に戻っている。


ちょっと仕事が押すと、かなり慌ただしくもなってしまうのだが…必ず家に行く。



今日はその帰りに、会社近くの小さな交差点で、信号待ちをしていて…とあるものを見た。



金髪と茶髪がワイルドに混じりあい、サイドを刈り上げたソフトモヒカンの10代の男の子が道路脇にいた。



田舎には、こんな感じのやんちゃな子は時々いる。



そういえば、この子を見掛けるのは2回目だな…。



そこは、信号の所を渡ると、逆に危ない感じの所。(変形十字路的で、歩行者が死角に入りやすい)



なので近所の人は、さも当たり前のように道の途中を横切り、車の間を歩いていく。



よく通っている人からすれば、あまり驚きもせずに待ってもいるのだけれど。



この前あの男の子は、本当に申し訳なさそうにお辞儀をして渡っていったのだ。



「イイ子だな」と思った覚えがあった。



今日は、道端でヤンキー座りして…どうしたんだろ?と思って見た。



そしたら、なんと…
片手にカマを持って、草むしりをしているぢゃないか!!



うわっ!なんてイイ子だキラキラ



「人は見かけぢゃないんだよ、やっぱ」



あたしは妙に感心してしまった。



その後…何度も脳裏に、あのソフトモヒカンが浮かんだ。




その度に…う~ん、頑張るか~と思うのだった。



得意げパー