ラインで、お互いの結婚式の和装・洋装の話をする、アバズレゴキブリ不倫保育士ゆうこと夫。


夫。

「ゆうこちゃんのウエディングドレス姿が見たいです。」


この部分を読んだのは、不倫発覚後、間もなくだった。

一週間後ぐらいだったと思う。

まだまだ、ゆうこが恋人として、もしかしたら愛する人として、夫の心の中に居た頃だ。

夜中の0時頃だったか。

私は、自分達の結婚式のアルバムを、ガスコンロで燃やそうとした。

しかし夫がそれを止める。


それならば川へ捨てよう。


アルバムを抱えてパジャマのまま家を飛び出し、川原へ向かった。

橋の上で立ち止まり、川を見下ろした。

アルバムを抱いて泣いた。


夫が追いかけてくると思った。

追いかけてきて「止めろ」と言うと思った。


でも、夫は来なかった。

あー、それが答えかと思った。

夫に必要なのは私じゃなくて、あすかの友達の母親の、ゆうこという女なんだな。


苦しくて泣き続けた。


結局私はアルバムを捨てられなかった。


結婚まで10年。

待って待って待って待って、やっときた結婚式の日。

あの日の幸せが、いっぱい詰まったアルバムだ。


もう本当に、ゆうこという女は何なんだ。

夫に近づいて夫を盗み、私達夫婦の仲を引き裂いて、その結果子ども達まで傷付け、私にバレたら「男友達です」「連絡先も消します」と逃げようとした。


発覚からもうすぐ4年。

私の怒りはおさまらない。

おさまらないから、こうしてここに吐き出している。


「ゆうこちゃんのウエディングドレス姿が見たいです。」


この言葉の意図はなんだ。

「今度は俺がウエディングドレスを着せてやる。」

という意味か?


夫はそんなつもりはなかったと言った。

本心は分からない。

もしそうならと思うと、気が狂いそうだった。


そして、この話には続きがある。