わたしは、実はいままでで1回だけ、オーケストラと一緒にコンチェルトを演奏したことがあります。

もう何年も前の話。
あの時わたしは、たしか高1でした。



オーケストラは、ポーランドのクラフク管弦楽団というところです。

その演奏会は、ストレートに言ってしまえば、出演料を払えば、誰でも出れる、というコンサートでした。

曲も、その楽団(というか、その楽団を呼んでる人たち)の指定した曲から選ぶ、というもの。

わたしは、日本人作曲家の現代曲を選びました。







ステージに出ていくとき、いつもはたった一人きり。

しかしその日は、ヴァイオリンの方の中を歩いていく。そんな感覚がありました。

みんながわたしを待っている。
一緒に演奏するために、待ってくれている。

こんな嬉しいく、心強いことがあるでしょうか。

わたしは自分の演奏がどうこう、ということが、非常にどうでもよくなり、早くみんなと音を出したい、とワクワクしていました。





演奏はというと…。




非常に楽しかったです!


なにがって、自分の後ろから、左から、前から、様々な方向から、様々な音が聞こえてくるんです!


ああ、ここは自分の音だけじゃない。みんながいるんだ。
って思いました。




ピアノは大抵一人で演奏することが多い楽器なので、普段ステージでも自分の音しか聞こえませんが。
コンチェルトは、なんていうか…。

コンチェルトを、よくソリストとオケとの関係、だけで終わらせてしまっている演奏者が多いように感じます。


わたしは、コンチェルトは、対抗するものではないと思う。

各パート各楽器と、重唱してるかんじ。。
それが同時に、幾重にも重なって、一つのフレーズ、一つのセクションとなっていくんです。

同時に、たくさんの友達とみんなでお話するような、そんなかんじ。



また、目をいろんなところにキョロキョロやって、チェロの人と目が合って、ニヤニヤしたり(笑)

セカンドヴァイオリンの人と目が合って、ニヤニヤしたり(笑)


ニヤニヤしすぎです(´∀`)



でも、本当に、一度も話したこともない人たちですが、演奏中は、本当に仲の良い友人のような関係でした。




コンチェルトは、魔法でした。
わたしを、ソリストというお姫様に変身させてくれました。


もう当分、それかもう二度と、魔法はかからないでしょう。

でも、わたしの心の中に、あの時あの一瞬は、いつまでも残っています。


もしかしたら、それこそが、本当の魔法かもしれません(*´∇`)