真夜中の都会
出逢ったのは一匹の黒猫。
差し出した手に擦り寄る。
“きみも独りなのかい?”
黒猫は甘えた声で鳴いた。

また夜が来る。
闇に紛れたきみに会いに行く。
きみがいる。
ぼくがいる。
ただそれだけで幸せだった。

新しい季節。
姿を消した一匹の黒猫。
手を差し伸べてももう届かない。
“戻っておいで”
でも黒猫はもういない。

また夜が明ける。
出逢った場所に佇むけど
きみはいない。
ぼくは独り。
元に戻っただけ。
無性に寂しいのは
きみに出逢ったから?

ぼくはまた独り歩き出す。

ただ必要とされたいだけなんだ。。。鎖。






恋人みたいに肩を寄せ合ったり

手をつないで歩かなくてもいい。

抱きしめられなくてもいい。

口唇のふれあいも

肌のぬくもりも望んじゃぁいない。






ただ、困ってる君を見ていたくないだけなんだ。

一人で悩まずに僕を頼って欲しいだけなんだ。






僕は臆病だから

一度引いてしまった線を自分で飛び越すことができない。

だから僕はいつも横目で君を見守るだけだ。

その視線さえ気づかず、

君はまた極限まで落ち込んでる。

んなにも近くにいるのに

片腕すら言葉さえもかけられない。







僕。







君の一言で臆病な僕の鎖は解けるのに。

「君」という名の鎖が。。。

ヤツは自分を幸せにしてくれない。
そう解ってるのに、なんで捨てられないんだろう。

冷たい態度も人使いの荒さも、気分屋なところもぜんぶ
くったくのナイ笑顔で忘れてしまう。

2人の間で愛の言葉が紡がれたことなんて一度もないし、
抱きしめられたことなんて記憶にない。
寝るかヤルかはヤツの気分次第。

自分で呼び出しておいたくせに、突然「友達が来るから帰ってくれる?」
よくもまぁそんなことが云えたもんだ。

待ち合わせ時間20分後集合は当たり前。

朝もなかなか布団からでてこないし、
挙句の果てにはマック買ってきてなんて使いっ走り。

でも、帰ってくるとあったかいコーヒーが待ってたりする。

人の話聞きながら途中で寝ちゃうくせに、
実はちゃんと聞いていて、そっとメールで返事をくれる。

一人で帰れ、なんていうくせにいつもなんだかんだ云って駅までついてくる。

たまに見せる弱音がかわいい。


自分には、もっとちゃんと考えてくれる人がいる。
それなのに、どうして離れてしまうんだろう。

優しい言葉も温かい手も・・・ついでにいうと顔もいい。
頭もいいしまじめだし、きっとその人についていけば
幸せな家庭、はまちがいない。

何が気に食わないのか自分でもわからない。


心の中で天使が囁く。
「自分の幸せのためにヤツはやめなさいよ」

悪魔は反発する。
「自分の気持ちに素直になれって。人生一度きりだぜ~」

後悔するならやるなってよく云われるけど、
生きてるんだから、
誰だって道を外すことはある。

(っていう言い訳)

そこで後悔することで、
成長するし
またまっすぐ歩き出せるんじゃないかな。

(って自分に云い聞かせてみたりする)

後悔しないように生きるのは素晴らしいと思うけど、
そんなカンペキな人生なんてつまらないよ。

(って負け惜しみ)

いろんなことやってダメだったら、
その時はいっぱい泣いて、
いっぱい考えて、
自分と向き合ってみる。

(つもり)

やらないで後悔するなら、
やって後悔したほうがいい。

(って思い込んでる)

深みのある人間はそうやってできていくんじゃないかな。

(自論)

幸いオイラには、
道を間違っているときに「違うよ」って云ってくれる奴や、
進むのをためらっていう時にそっと背中を押してくれる子や、
落ち込んだときに一晩付き合ってくれる人がいる。

(筈だ)

今、またドン底まで落ちれるのも、
そんな奴らのおかげだ。
本当にありがと。出会えたことは一生のタカラ。
たぶんいままでの人生で最大の過ちを犯していたかもしれん。
また大事なものを失ってしまった。
失ってから気づいても、もう遅いんだよな。。。
壊れちまったものは元に戻らないから。
先に口を開いたのは君。
お堀沿いの公園で並んで座っていたんだっけ。

友達に戻ろう

今でもそう云った君の声を覚えている。
かすかに震えていた君の言葉は僕の思考回路をストップさせた。

あなたも大事。でも他にもっと大事な人ができた。

今思えばずるい奴だ。
でも僕はまだ僕のことを好きでいてくれている君を悪い奴だとは思えなかった。
隠さず伝えてくれた事実と、
悩んでくれた時間をむしろ君のやさしさだと感じていた。

君がそれで幸せになるなら、僕はそれでいいよ。

最後まで格好はつけていたかったから、
鼻の奥がツーンと痛かったけど
ちょっとクサイ台詞を吐いてみた。
煙草がやけに苦い。
胸の中のショックを悟られないように、
短くなったそれと一緒にかかとでもみ消す。
友達に戻るってことがどれだけ大変なことか、
その時は想像もしてなかった。
いっそのこと縁を切ってしまおう、
と何度も考えていた。
しかし、
あなたも大事
そんな言葉があるから僕は君から離れられない。
1年経って君が遠くへ飛び立ち、
僕らは友達に戻った。
それでも心のどこか
君を待っている僕は愚かだ。


君がいなくなって2度目の冬が来た。
あの時と同じ、
お堀沿いの公園に一人で座る。
右手にはアンテナの曲がった携帯電話。
久しぶりに聞いた君の声。
今更電話なんて君は自分勝手だね。
でも、やはり僕は君を待っていたみたいだ。

あの頃に戻りたい。

僕より大事なやつはどうなった?
なんてどうでもいい。
君が戻りたいというのなら・・・

・・・いつでも帰っておいで。

また君のずるい言葉だとは解っていた。
今度こそ、と君を信じる僕はやはり愚かだ。
でも、それでもいい。
未だ君以上に好きな人が現れないのだから。

今一番知りたいもの。


君の気持ち。


初めて君が僕に触れてから

もう半年が経つ。

その間、

僕らは一度も愛を言葉にせず

無言で体を重ねることもあった。

手をつなぐこともなく

外に出れば互いに素っ気のない態度。


僕はそれでよいと思う。


でも今の僕らは

ただの友達でもなく

恋人でもない。


こんな微妙な関係になってもう半年が経つ。


あいまいな関係を解消したい僕だが

どうすればよいかわからない。

ただ一つはっきりしていることは


「君を失いたくない」


ということだけ。

どんな形でもいい。

君にはいつも僕の傍にいて欲しい。


日に日に君への思いは積もっていく。

それは恋とは違うような

母親が子供を見守る時の感情ににているのかもしれない。


君に必要とされていれば

僕は嬉しいし

そうなるように努力している。

もしそうでないなら

僕は悲しいけど

遠くから見守ることにする。


君の気持ちを知りたいけど

それを聞くのが怖くて

僕はこの気持ちを口にすることができない。


また明日君のあの笑顔に会いたくて

今日も僕は君の寝顔を見ながら

このわだかまりを心の底へ押し込む。


きっと聞くべきときはやってくる。

朝、家を出ると自然と笑みがこぼれた。
また俺の好きな季節が来た。
そんなことを実感できる、
最初の気配だ。


玄関を出るとかすかに鼻先をかすめる甘い香り。
階下へと続く階段を下りるたびにその香りは濃くなってゆく。
暗い階段を降りきると、その源が姿を現した。

軽く2階の高さまで延びたキンモクセイが、
俺を見下ろしている。
俺は木を見上げる。
その大きさに比べてはるかに小さなオレンジ色の花。
この小さな花びらの間から、
どのようにしてあの濃厚な甘匂を発しているのだろう。

木は何も答えてはくれない。
ただ、俺を優しく包み込むだけだ。
一昨年も去年も今年も、
そしてきっと来年もキンモクセイは甘い香りで
秋の訪れを知らせに来るのだろう。

俺はそんな疑問を考えることは止めて、
また歩き出す。
キンモクセイが香る季節を楽しみながら。


君がいなくなってから、居場所がわからない。
僕はどこにいればいいのだろう?

何かに打ち込んでみても、
誰かを抱きしめてみても、
ふと気づけばそんな僕を見つめる「僕」がいる。
「僕」は何も云わず、ただ光をなくした
瞳で僕を見つめる。

でも、僕は居場所がわからない。
僕はなぜここに居るのだろう?

何かを追いかけてみても、
誰かと騒いでみても、
ふと気づけば、僕と「僕」しかいない。
「僕」は何も云わず、ただ彷徨う
僕についてくるだけ。

だけど僕の居場所は見つからない。
いつまでここに居るのだろう?

あの日、君がいなくなったこの場所に

「恋っていう字は下に心があるから下心があるんだよ。
愛は真ん中に心があるでしょ?だから愛は真心があるんだよ。」

下心って言葉はいやらしいけど
なにかしら見返りを求めて
付き合っていたのかもしれない。
例えば寂しいからとか
欲求不満の解消だったりとか
見栄だったりとか。

意識してなくてもそう思ってたのかも。
心のどこかで自分の理想像の人物がいて
相手をそいつに合わせようとするから
イロイロ不満が出てきて
くだらないことで嫌になってしまう。

そんなんばっかだった。

見返りを求めない愛なんて
口では軽く言えるけど
実際そんなふうに愛せるのは
人生でちょっとだろう。

相手から何か得るものがなくても
心配したり世話やいたり。

そんな奴がまた一人増えた。

ただ心配なだけ。
何かして欲しいわけじゃなく。

そんなだから顔色伺うこともなく
云いたい放題。
ダメなところはダメという。


でもやっぱり必要だと云われたら
ちゃんと届けてあげたい。
来て欲しいと云われたら
夜遅くても行ってあげたい。

一言「ありがとう」だけで嬉しい。

性別も立場も関係なく、
ただオイラが勝手に愛してそれで満足。

それでいいんだ。

人を愛することができるだけで嬉しいから。


唯一君がくれた言葉。


「愛だよ、愛」

どの程度ホンキで云ったのかはわからないけど、
「愛」という言葉を選んでくれたのは嬉しかった。