いきなり藪からスティックな書き出しでスイマセン。
このところ当ブログのいちコーナー・そんなに陽のあたらない名曲では「よいこのデンジャラスセレクション」シリーズが続いておりましたので、単品で記事を書くのは久しぶりになります。
で、今回扱いますのは井上陽水作品。なのにネガティブな書き出しで始めてしまうのが全温度クオリティなんでしょうな。ですが、べつに陽水をバッシングしたいわけではありませんので、そこは平に、平に。![あせる](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/029.gif)
このところ当ブログのいちコーナー・そんなに陽のあたらない名曲では「よいこのデンジャラスセレクション」シリーズが続いておりましたので、単品で記事を書くのは久しぶりになります。
で、今回扱いますのは井上陽水作品。なのにネガティブな書き出しで始めてしまうのが全温度クオリティなんでしょうな。ですが、べつに陽水をバッシングしたいわけではありませんので、そこは平に、平に。
![あせる](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/029.gif)
でもやっぱり上記のような曲は好きになれないんですよ。
私が勝手に抱いている陽水の魅力。それはズバリ“狂気”です! あの名アルバム『氷の世界』当時の、人間のおどろおどろしい闇の面を描いたような世界観が、圧倒的インパクトを誇っていたことは誰もが認めざるを得ない域に達していたといえましょう。映画でいえばキューブリックの世界に近いというか、心の奥底に沈む暗黒の世界を直視させられるツールになっているというか。
あんなのを見せつけられたら、そりゃ陽水という表現者にかける期待値のハードルは自ずと高くなってしまいます。ところが『少年時代』『夢の中へ』のガッカリ感ときたら・・・。
私が勝手に抱いている陽水の魅力。それはズバリ“狂気”です! あの名アルバム『氷の世界』当時の、人間のおどろおどろしい闇の面を描いたような世界観が、圧倒的インパクトを誇っていたことは誰もが認めざるを得ない域に達していたといえましょう。映画でいえばキューブリックの世界に近いというか、心の奥底に沈む暗黒の世界を直視させられるツールになっているというか。
あんなのを見せつけられたら、そりゃ陽水という表現者にかける期待値のハードルは自ずと高くなってしまいます。ところが『少年時代』『夢の中へ』のガッカリ感ときたら・・・。
例えば『夢の中へ』からは本当に希望に満ちてる様子しか感じられないのです。が、これが私は気に入らない(笑)。そんなのは陽水じゃなくてもいいからだ。
陽水の歌ならば「夢」や「希望」よりも「絶望」を楽しませてほしい。アルバム『氷の世界』においては『Fun』でさえ、奥底に潜む狂気を感じたものだ(童謡『あめふりくまのこ』を想わすメロディなのだが、個人的に『あめふり~』からもわずかばかりの狂気を感じてしまうこともあり)。
陽水の歌ならば「夢」や「希望」よりも「絶望」を楽しませてほしい。アルバム『氷の世界』においては『Fun』でさえ、奥底に潜む狂気を感じたものだ(童謡『あめふりくまのこ』を想わすメロディなのだが、個人的に『あめふり~』からもわずかばかりの狂気を感じてしまうこともあり)。
ある熱心な陽水ファンの方が言ってました。「むかしの陽水は心で、その後の陽水はテクニックで曲づくりをしてると思います」と。
そうなのです、やはりこういうのは心とか魂が突出したもののほうが伝わるというもの。ゆえに上記のような、テクニックが前面に出てしまったような曲では物足りなくなってしまうのです。それが「あんなキレイなのは、陽水じゃなくてもいい」と思う理由なんですわ。
そうなのです、やはりこういうのは心とか魂が突出したもののほうが伝わるというもの。ゆえに上記のような、テクニックが前面に出てしまったような曲では物足りなくなってしまうのです。それが「あんなキレイなのは、陽水じゃなくてもいい」と思う理由なんですわ。
そういえば大槻ケンヂが小学生のころに『氷の世界』を聴き、「フォークの人にこれをやられてしまった」ことに衝撃を受けたのだと話してたことがあります。彼はミュージシャンになってから、みずからも筋肉少女帯として『氷の世界』をカヴァーするほどの心酔ぶりでした。
ところがその後、陽水の音楽に異変を感じた大槻氏。そこである日、本人に「どうして、そうなっちゃったんですか?」と訊いたことがあったらしい。
「キミも年をとったらわかるよ」
陽水はそう答えたそうな。いかにもハッキリしない、陽水らしい回答ではあるが。 (^_^;)
ところがその後、陽水の音楽に異変を感じた大槻氏。そこである日、本人に「どうして、そうなっちゃったんですか?」と訊いたことがあったらしい。
「キミも年をとったらわかるよ」
陽水はそう答えたそうな。いかにもハッキリしない、陽水らしい回答ではあるが。 (^_^;)
そうは言っても「テクニックに走ったような曲」だって陽水の曲には違いない。他人が作ったものに手を加えて世界観を捻じ曲げてしまうものではなく彼のオリジナルなわけですから、私個人が勝手に抱く彼へのイメージで縛りつけるのはあまりいいことではないのかもしれません。
でも、しかし・・・なんとも言いようのないもどかしさがあるのも事実なので、そのムシャクシャする想いをここに書いてみた次第なんでありまするよ。
でも、しかし・・・なんとも言いようのないもどかしさがあるのも事実なので、そのムシャクシャする想いをここに書いてみた次第なんでありまするよ。
じつは数年前から、あるブロガーの方から「陽水の記事を書いてほしい」というリクエストを何度か受けておりました。
私が好きな陽水はここに書いてますように『氷の世界』のころのもの。そして同アルバムのなかでもっとも好きなのが『桜三月散歩道』。ブロガーさんはそのことを承知で陽水の記事を求めてこられたようなのです。
ですが、当ブロブの在り方として「有名な曲の採用は極力避ける」「できるだけ読者さんがご存知でないものを採り上げる」という大前提がありまして。日本の音楽史上初めて100万枚の売上げをスコアしたLPレコードに収録されてる曲を扱うのには、どうもどうも抵抗があったのです。ましてその方はリクエストした時点で曲のことを知ってるのがわかってるわけですから、書くほうとしては面白くないんですよね。
私が好きな陽水はここに書いてますように『氷の世界』のころのもの。そして同アルバムのなかでもっとも好きなのが『桜三月散歩道』。ブロガーさんはそのことを承知で陽水の記事を求めてこられたようなのです。
ですが、当ブロブの在り方として「有名な曲の採用は極力避ける」「できるだけ読者さんがご存知でないものを採り上げる」という大前提がありまして。日本の音楽史上初めて100万枚の売上げをスコアしたLPレコードに収録されてる曲を扱うのには、どうもどうも抵抗があったのです。ましてその方はリクエストした時点で曲のことを知ってるのがわかってるわけですから、書くほうとしては面白くないんですよね。
そこで私は考えた。じつは初めて『桜三月~』を聴いたのはみなみらんぼうがカヴァーしたものでした。それならこのアルバムの曲を直接使うのではなく、みなみらんぼう版のにすれば変化球になっていいのではないか、と。
しかし、みなみらんぼう版『桜三月~』はいくら待っても動画サイトへはupされない(笑)。これで半ば諦めてた状態であったのです。
そんなある日のことです。いつだったか、たまたま耳にしたちあきなおみがカヴァーした『氷の世界』が、かなりイケてることを思い出しました。
同曲は1977年に発売されたアルバム『ルージュ』に収録されていたものとのこと。ちあき氏はもともと歌唱力には定評のある歌手(とくに宍戸錠は「美空ひばりより上手いと思う」と最上級の評価)ではあるが、本家にもまったく見劣りしないどころか聴く者の好みによってはこちらのほうが好きだという向きもいることだろう。
陽水が“狂気”なら、ちあきは“妖気”。おどろおどろしさの表現も完ぺきと言っていい。
同曲は1977年に発売されたアルバム『ルージュ』に収録されていたものとのこと。ちあき氏はもともと歌唱力には定評のある歌手(とくに宍戸錠は「美空ひばりより上手いと思う」と最上級の評価)ではあるが、本家にもまったく見劣りしないどころか聴く者の好みによってはこちらのほうが好きだという向きもいることだろう。
陽水が“狂気”なら、ちあきは“妖気”。おどろおどろしさの表現も完ぺきと言っていい。
さて『氷の世界』の表題曲でもあるこの歌は、その難解な歌詞のせいで「解読する楽しみ」を与えてくれた楽曲でもあるといえる。
例えば冒頭に登場する「窓の外ではリンゴ売り」。これを小堺一機などは「リンゴ売りなんて見たことない、不思議~」と言っていたものだ。まぁそういう行商の人がいないわけではないにしても、そのあとで「きっと誰かがふざけてリンゴ売りのまねをしているだけなんだろ」と続くということは、そこにリンゴ売りが存在してるのかどうかがボヤかされてるわけで、これはかなりの確率で歌の主人公が感じた幻覚の可能性が高いともいえるし、もしかするとそれは「この世のものではない」のかもしれない。
なにより言葉の使い方が超疑心暗鬼者のそれになってることで、主人公がまともではない状態になっていることをにおわせる。
また3番の「人を傷つけたいな」に至っては、歌の詞としてはきわめて異例な表現かと。これはまさしく病んでしまった男の危険な欲望・・・のようではありますが、よくよく考えればこんなのは誰もが抱く本能的なもの(認めたくない者もいるだろうが)。ただ、わざわざ歌にして赤裸々に発信する本曲は、やはりフツーではない。
他にも同アルバムでは以下のように、いちいち琴線に触れるフレーズが非常に多くみられる。
![音譜](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/038.gif)
![音譜](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/038.gif)
![音譜](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/038.gif)
こんなふうに、その世界観を語り始めるとキリがなくなる。すべて説明できていて考えさえる余地を与えない詞(といっていいのかはわからないが)とは違い、聴く者のセンスによって解釈は無限に広がっていく。
もちろんそこに挑戦してる人は大勢います。よそのブログなどで各々の見解を綴られてる方はいくらでもいますので、当ブログではこの点の追及はここで止めておこうと思いますけども。
だって仮に追及したところで正解は出ない。本人が作ったときのことをよく憶えてないらしいからだ。
もっとも、そのコメントは真に受けていいものかとも感じる。まずこれらの曲は、陽水自身がまともな精神状態なときに書いたものではない可能性があるからで。なぜなら当時の陽水は・・・・・・えーと、えーと・・・・・・そこらへんは各自調査のことで。
そんなこともあり、たしかに「憶えてない」のは本当かもしれないが、悪い方向へ考えるとすれば諸事情で「語りたくない」のが本音ということも考えられ・・・。 モゴモゴ・・τ( ̄X ̄;) ̄ω ̄ヾ)口封ジ!
ああ、私自信も疑心暗鬼者だ。![汗](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
もちろんそこに挑戦してる人は大勢います。よそのブログなどで各々の見解を綴られてる方はいくらでもいますので、当ブログではこの点の追及はここで止めておこうと思いますけども。
だって仮に追及したところで正解は出ない。本人が作ったときのことをよく憶えてないらしいからだ。
もっとも、そのコメントは真に受けていいものかとも感じる。まずこれらの曲は、陽水自身がまともな精神状態なときに書いたものではない可能性があるからで。なぜなら当時の陽水は・・・・・・えーと、えーと・・・・・・そこらへんは各自調査のことで。
そんなこともあり、たしかに「憶えてない」のは本当かもしれないが、悪い方向へ考えるとすれば諸事情で「語りたくない」のが本音ということも考えられ・・・。 モゴモゴ・・τ( ̄X ̄;) ̄ω ̄ヾ)口封ジ!
ああ、私自信も疑心暗鬼者だ。
![汗](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
でも、それを言ったら『夢の中へ』だって『氷の世界』と同じく1973年にリリースされた曲なんだよね。不思議だなぁ。そりゃ歌詞に関していえばこのような解釈もできますけどね。だけどこの曲の場合は捻ってない陽性のサウンドだと思うんだよなぁ。
陽水のアレが判明してああなったのは1976年のことですから(おーっと、もう「各自調査」の必要はなくなったか⁉
)、その時期はまだ・・・いやいや、たまたま「躁」状態だったときに作ったものという推測もできる。
![あせる](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/029.gif)
・・・いかんいかん、どっちにしろ大きなお世話でしたわ。![ガーン](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/141.gif)
![ガーン](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/141.gif)
疑心暗鬼といえば思い出す。
『ドラえもん』の「世の中うそだらけ」を。
せっかくなんで、ちあきなおみのおどろおどろしい歌をもう一曲。
井上陽水作品ではありませんが、『第28回NHK紅白歌合戦』で歌唱された際、鬼気迫るパフォーマンスで視聴者のド肝を抜き、全国のお茶の間を凍りつかせてしまった『夜へ急ぐ人』をご覧いただきましょう。
井上陽水作品ではありませんが、『第28回NHK紅白歌合戦』で歌唱された際、鬼気迫るパフォーマンスで視聴者のド肝を抜き、全国のお茶の間を凍りつかせてしまった『夜へ急ぐ人』をご覧いただきましょう。
![パー](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/106.gif)
![叫び](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/254.gif)
この曲、Wikipediaによりますと「もともとは当時開催されていた広島平和音楽祭の参加作品として作られた。しかし、本楽曲のテーマは“日本の女の狂乱”であり、広島平和音楽祭のテーマとは無関係だった」と書かれてある。
どうしてこうなったのか?![えっ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/147.gif)
![えっ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/147.gif)
毎年のように「今年の冬はさむいねー」とは言われます。ですが今年の寒さは本当に記録的なものでした。なにしろ週間天気予報が示す最低気温には、見たこともないような数字が並んでおりましたから。正真正銘、観測史上の記録をたくさん塗り替えたことでしょう。
そんな極寒の冬がようやく終わろうとする時期に、ようやくこの記事を投下したわけであります。
そんな極寒の冬がようやく終わろうとする時期に、ようやくこの記事を投下したわけであります。
でも遅すぎました。あのブロガーさん、アメブロを退会して行方不明になっちゃいましたよ。
まさかとは思うけど、 ひとりで空へ まぶしい空へ 消えてしまった ・・・の?