2月23日。当ブログでは何度か登場しました、妹尾青洸さん率いる「ゲキ塾。」の皆さんによる、初のリーディングなるものを観に行ってきました。

 リーディングというのは、役者の方がおこなう「読み聞かせ」らしいのですが、まだ歴史が浅いのか定着しきってないのか、塾頭の妹尾さんですらよくわからないままにトライしてみたんだそうです。

 場所は下北タウンホール下北タウンホールのすぐ側にある「Reading Cafe ピカイチ」というお店。赤星昇一郎さんが店長を務めておられます。
 赤星さんはゲキ塾。さんの舞台には何度か客演として参加されてる俳優さんで、わたくし個人的には'11年の秋にゲキ塾。さんの舞台を初観劇した『煙が目にしみる』にも出演されておられました。

 当日、いざ下北沢へ。シモキタ自体には行き慣れているのですが、どういうわけかこの日は電車を乗り過ごし。急行だったため経堂まで行ってしまった。でもまぁ早めに家を出たこともあり、多少はゆとりがあったわけですが。
 というわけで下北沢へは折り返して到着、会場を探します。じつは少し前、シモキタの道端で赤星さんを見かけたことがありました。それがおそらく閉店後のことと推測した私は「たしか赤星さん、このへんから出てきたよな~」とか思いながら店を探す。
 住所だとこのあたりのハズ、だけど見つからない・・・と、ある一画をグルリと一周したところで通りに面した某店のおばちゃんに尋ねてみた。
「ピカイチさん? うちのすぐ裏ですよ」
 こうしてたどり着いた次第。

 ピカイチさんに着いたのは16時20分ころ。ちょっと早すぎた。でも思い切って入店してみると、赤星さんが静かに迎えてくださいました。10人くらいでいっぱいになるお店。店内にはリーディングを聴きにきたわけではない、一般のお客さんが1~2名ほど座ってお酒を飲んでらっしゃった。そのお客さんも、やがてお帰りになった。
 赤星さんと二人きりになったんで、以前『煙が~』を観たことなどを話してみる。
「ああそう。夏にやったやつも観てくれたんですか?」
「スイマセン、そのときだけは観てないんですよ」
「残念だなぁ、私、こんな役やったんだけどなぁ・・・」


 そうこうするうち、ひとりの男性が入店してきました。マスクをしていますが、すぐに高田裕司さんであることがわかりました。
 高田さんも赤星さんと同様、ゲキ塾。さんには客演で出演されることがあります。そして赤星さんと高田さんは『煙が~』のとき、共に死者の役を演ったコンビでもあります。この日はお客として来場されたようです。

 しばらくすると、どこかへ出かけていたと思われるゲキ塾。の皆さんが妹尾さんを先頭にゾロゾロと帰ってこられました。これから来場するお客へ出す、おつまみの買出しに行っていたらしい。
 もう私の顔は憶えてくださったようで、皆さんが声をかけてくださいました。
 じつは新人さんを除くゲキ塾。オールスターズ(厳密に言うと、現在どこまでがオールスターズなのかはよくわかんないんですけど)は、NHK『ファミリーヒストリー』における「平岳大 ~父の背を追って、海を越えた一族の絆~」での再現ドラマに出演され、そのもようがこの前の週に放送されたばかり。テレビ出演者はリーディングには全員参加ということもあり、撮影時の裏エピソードなども伺ったりしました。放映当日は稽古をしていたので、放送されたものは未だ見てないという方ばかりでしたけど。

 そんななか、どうやらゲキ塾。さんのあいだでは私のことを「ダメ出しをしてくれる人」というかんじで伝わってるらしく、新人さんなんかは「ダメ出ししてください~」とMっぽいご挨拶をしてこられた。
 ちょっと、ちょっとちょっと。 ヾ(・・;)
 私ね、ゲキ塾。さんにダメ出ししたことなんかないんですけど(苦笑)。ゲキ塾。さんに不満を感じたことはないですし、そもそも演劇に対してはダメ出しできるほどのスキルは持ち合わせておりませぬ。テキトーな扱いでいいですから(笑)。

 雑談の最中、あることが発覚しました。この日おこなわれるリーディングは17時と19時半からの2回でして、私は2回目のほうを予約していたんですよ。ところが、どうやら私が行ったのは1回目の枠だったみたい。時間を間違えてしまったのだ。
 ありゃ~、出直してきたほうがいいかな? 
「懐さえよろしければ、通し(2回とも観る)でもいいですよ」
 この妹尾さんのお言葉により、2回観ることに。1回あたり1000円+1ドリンクの料金でいいわけですから、ヘタに外で時間をつぶすよりもいい。しかも2回観るということは、より味わって観るということもできるだろう。


 本番が近づき、皆さんが緊張していく様子がわかります。普段の舞台とは違い、出演者の皆さんも同じ部屋内のすぐ側にいるというのが、じつにアットホーム。来る予定なのになかなか来ないお客を待ったりしてる様子を見るのも新鮮だったりする。

 さて本番。ゲキ塾。さん初のリーディングは4つのエピソードが披露されます。MCは当ブログで何度も登場されました正太さん。出番の方以外は玄関の外、寒空の下で立って待ってます。ガラス張りなので、その様子も丸見えなのが面白い。たまに妹尾さんが中の様子を写真に撮ってるのもわかります。

 この読み聞かせ、じつは私は当初、学校の国語の時間にやらされる朗読と同じだったらどうしようかとも危惧しておりました。と言いますのも私はあれが苦手でしてね、自分がやるのも他人のを聴くのも。ああいうのを先生が誉めるのは、だいたいオトナに媚びるような読み方するやつなんですよね。しかもクサい。そういうのが、私は嫌で嫌で。
 まさかそんなんじゃないだろうなとは思っていましたら・・・。
 実際には舞台の演劇を観てるのとほとんど変わらないくらいのクオリティのものでした。手に本を持っている、という違いだけです。もっとも、役者さんからすれば、いつもやってるものよりは動きに制限があるので、やりにくさはあるんでしょうけどね。


 1つ目のエピソード。
 クリスマスの日。
「アッハハハハハ・・・!」
 某カフェ店内にこだまする、謎の男の高笑い。
「キミね・・・」「ぼくは・・・」と、ブツブツ会話している客(演:ゴイチさん)。だがしかし、この客は、たったひとりでしゃべっていたのだった。
「お客さま、ひとり言はおやめください。他のお客さまが気味悪がっておられます」
 なんとかしてやめさそうとする店員(演:迅さん)。いったんは渋々と応じる客であるが、またすぐにブツブツを始める。
「ひとり言はおやめください」
「ぼくがクリスマスを楽しんじゃいけないの?」
「他のお客さまにご迷惑です」
 このやりとりが延々と繰り返されます。
 なんちゅう設定じゃ。 (゚◇゚;)!
 しかも、オチらしいオチがないまま終わってしもうた。
 スゴイな、スタートからしてシュールなやつを出してきたゾ! 初のリーディングにして「普通じゃない」方向性を見せつけてくるあたり、攻めの姿勢が大いに窺える。
 ゴイチさんの怪演が光る。そこへ陣さん演ずる店員の、冷ややかな対応が加わる。ううむ、まことに珍妙な世界観を見せつけてくれますた。


 2つ目のエピソード。
 教師と女子高校生の会話。女子生徒(演:ロクさん)が万引きをしたとのことで、職員室にて本人から事情を聞き出そうとする教師(演:正太さん)。
 しかし女子生徒いわく、本当は万引きしていないが悪質な警備員の策略で犯人に仕立て上げられたという。しかしそれを客観的に証明することができない。どうせオトナは決めつけてかかるだろうと心を閉ざす。
「どうせ信じてくれないもん!」
「ちょっと待て。それが事実だとすると・・・」
 彼女の言い分を聞いた教師は、なんとか無実を証明したいと親身になっていく。当初は頑なに心を閉ざしていた生徒とも、次第に打ち解けていったのだ――という展開。
 でも、すべてはイメクラだか何だかのプレイであったというオチが発覚!
 なんちゅう設定じゃ。 (゚◇゚;)!
 会話の内容は非常に考えさせられるやりとりでして、観るほうとしてはこの日の出し物のなかで最も感情移入を誘う展開でした。ところが最終的に「なぁんだ・・・!」と脱力させる仰天技。真っ向勝負の骨太な攻防をしておきながら、最後は逆さ押さえ込みで決着がついてしまったような結末であった(いい意味で)。
 こんな題材を持ってくるとは・・・誰が選んだんですか(笑)?
 終盤は慣れないお色気の演技が課題だったと言うロクさんでしたが、文句を言う場面では非常に生き生きとしていました。
 ティーンの多くはオトナと対立したり不信感を抱いたりする経験があると思うが、それを伝えたくてもボキャブラリーが不足していたり表現の仕方がわからなかったりで悔しい想いのままで終わるケースも少なくないだろう。
 だけど、リーディングだと言いたいことは文章として用意してあります。それを思い切りぶつければいいのです。このときのロクさんはティーンの代弁者でした。たぶん、ご本人も痛快だったのではないかと推察いたします。
 また、これを受け入れようとする教師を見事に演じてみせた正太さんのベビーフェイス度は、かなり高めだったと思われます。


 3つ目のエピソード。
 男の子と、男の子が大事にしているウサギのぬいぐるみのお話。
『ビロードのうさぎ』という有名な絵本が題材なのだそうですが、このエピソードだけはスクリーンで壁に絵を投影させながら進行していきました。

 地の文を妹尾さんが読み、登場人物(男の子・ウサギなど)の台詞を新人のわらびさんが担当します。
 ウサギのぬいぐるみは、仲間のハイテクオモチャたちに蔑まれながらも男の子にとても大事に可愛がられ、それはそれは幸せな日々を送っていました。
 

 そんなある日のこと。男の子が流行り病に倒れます。 男の子の部屋や所持物はすべて殺菌・処分されてしまう。こうなると、最も小汚いウサギのぬいぐるみは真っ先に捨てられて・・・。

 ですが、なんやかんやあってウサギのぬいぐるみは本物のウサギとなり、ある日、男の子と再会する――という、ほっこりハートウォームなス トーリー。
 この日、唯一の正攻法なエピソード。それもあって、わかりやすさという点ではイチバンだと思います。また、幼児や小学生くらいの層にも安心して聴かせられる内容でもありました。
 個人的には、控え目にしている新人さんを、いかにも頼りがいのある妹尾さんが優しくリードしているという図が、視覚的にハートウォームでした(笑)。

 おそらく普通の感覚の方であれば、この物語への支持率が最も高かったのではないかと予想します。

 

 4つ目のエピソード。
 これがいちばん難解でした。1つ目のエピソードに出演したゴイチさんと陣さんが再登場、そこへぐっちょさんが加わった3人でのリーディングです。
 なんかね、ぐっちょさんが物凄い剣幕で怒ってるんですよ。ゴイチさんと陣さんが、ひたすら謝ってると。始めのうちは、何やってんだかサッパリわかりませんでした。
 でも、なんか可笑しい。なんなんだ、これは?
 どうもですね、マンガだかアニメだか、そういう世界の疑似体験を自宅で受けられるサービスがあって、登場キャラクターの一端を担う悪魔(ゴイチさんと陣さん)と契約をしたらしいのですが。
 たぶん悪魔がね、筋書きどおり部屋に侵入してきて何かを仕掛けようとしてたようでして・・・。
 その悪魔が物陰に隠れているとき、うっかり依頼者(ぐっちょさん)のファミコンを踏んづけてしまい、怒った依頼者が解約を迫り、悪魔のほうが謝罪している・・・っていう図らしいんですよ。
 悪魔側としてはファミコンの弁償を申し出ようとする場面もあるものの、ゲームは苦労して途中まで進行させたうえでセーブしておいたものなので、そのデータを消されてしまったのでは償いようがないだろうと主張する依頼者。
 悪魔には悪魔の事情があって、コレコレこういうことであんなことになってしまいました・・・って説明するのですが、怒りおさまらぬ依頼者は「あんたたちの事情はボクには関係ないでしょ!」と、もっともな意見。
 そもそも壁をすり抜けられる肉体を持つ悪魔のくせに、なんでそんなミスをするのか! ってカンカンなんですわ。このやりとりが延々と続きます。
 なんちゅう設定じゃ。なんちゅう設定じゃ。なんちゅう設定じゃ。  (゚◇゚;)! (゚◇゚;)! (゚◇゚;)!
 あのですね、本来ですと3つ目のエピソードをトリに持ってくるのが普通だと思うのですよ。そのほうが無難といいますか、それで文句を言う人はいないと思うんです。
 しかし、そうはしないのが妹尾さんのセンスと言いましょうか・・・チャレンジャーですわ。
 結果的に、時間が経つほど「あれ面白かったなぁ」という感情が強くなり、後々まで引きずるほどのインパクトを残したのは私にとってはコレでした。適切な表現かどうかはわかりかねますが、ダウンタウンらが時おり見せる、演劇仕立てのコントに近いもののようにも感じました。
 とりわけ、ぐっちょさんの怒りにふるえる顔が脳裏に焼きつき、それを思い出すたびに吹き出してしまうのです。 ( ;゚;ж;゚;)゙;`;:゙;;゚;ブッ うっかり街なかで思い出そうものならキモイ人だと思われてしまうんですよ。
 そこまで計算していたのだとしたら、これを4番バッターに指名した妹尾さんの采配はおそるべしだと思いました。

 なん中華、本中華・・・4つあるエピソードのうち、3つが変化球というのがスゴい。しかも、ほとんどの登場人物が変人なんである。ホント、あらためて振り返ってみても、これは思い切ったオーダーの組み方でしたわ。

 ぜんぶで約1時間くらいでしょうか。聴くほうも疲れないくらいの、ほどよい時間です。

 ここで、2つのエピソードを掛け持ちしたゴイチさんと迅さんについて、もうちょっと書き足しておきましょう。
 トップバッターからして問題作。ゴイチさんは4つ目のほうにも出演されてますが、普段もおとなしそうな雰囲気の方ということもあって、ヘコヘコ謝ってる姿というのはよく似合う。これが素である、と言われれば納得もします。
 だからこそ、ひとり言をブツブツと唱え、悪態をつくキャラクターというのは演ってて楽しかったのではないかと推察いたしました。というか、ゴイチさんはヒール志向が強いタイプなんじゃないかと思うんですけどどうでしょう?
 迅さんは両方ともサービス業のスタッフというポジションでして。迅さんがそういう職場の経験者であれば、応用が利きそうな役どころでもありました。
 ひとつはムッとしながら客対応するウェイトレス、もうひとつはクレーム処理の果てに泣き出す悪魔。さて迅さんはどっちが楽しかったですかね?

 あと、『ビロードのうさぎ』で思ったこと。
 本物のウサギになりたい願望のあったぬいぐるみの想いが最終的に叶うという結末は、人形が人間になってメデタシメデタシ・・・な物語『ピノキオの冒険』を彷彿させるものがありました。
 あそこでさらに「だが、ピノキオは人間になって、ほんとうに幸せになれたのだろうか・・・・・・?」
というような展開になりますと『キカイダー』みたいに超重い空気になってしまうところですが。
『キカイダー』を朗読するのもいいかもね。いや、この場合は『メタルダー』かな。『メタルダー』の朗読会って面白そうですもんね。その場合、剣流星の役は、ぐっちょさんでお願いします。
 なお、仰木舞の役も、ぐっちょさんです。

 ひととおり出し物が終わりましたら、出演者の皆さん込みで懇親会の様相。ここらへん、かなりアットホームです。
 妹尾さんと高田さんが、このたび役者を廃業されることになったユウヤさんの話題をしている場面がありました。
「ユウヤ、辞めるんだって?」
「そうなんですよ」
「田舎へ帰るの?」
「それが、あいつ橋本だから(笑)」
 ウェットではなく笑いアリの、あくまで深刻なものではないことを強調しようとする妹尾さんの心遣いがチラ見え。高田さんも、ちょっと寂しそうなのが入り混じったような、でも笑顔でいようとしているみたいに見えるのは気のせいだろうか。ユウヤさんが愛されてるのがわかる会話でもあります。
 と、そこへ現れたのがユウヤさんご本人。まさに「噂をすれば・・・」のタイミングで来店。今回はお客のひとりとしてお越しでした。

 

 やがて、お帰りになるお客もいましたが、高田さんは会の終了後におこなわれる打ち上げの会場へ、ひと足お先にGO(ホントに直接行ったのかは定かでありませんが)。一般客としては2回目も観る私だけが店内に残ります。
 そこには、1回目を観た高田さんから「早口になる」と指摘された箇所など、反省点を確認する皆さんの姿がありました。本来なら楽屋裏でやることなんでしょうけど、私がいるのにかまわずやってるあたり、あらためてゲキ塾。さんのオープンぶりが窺えました(笑)。

 しばらくすると、2回目の来客がチラホラと訪れてきました。そんななか到着したのが、ゆうんこりん氏。私がこの朗読会を何人かの人にも誘ってみたところ、それに反応してくれたのが、ゆうんこりん氏だったのです。
 ゆうんこりん氏はいろんな特撮系イベントに積極的に参加されるツワモノなのですが、まさか後に速水亮さんのブログに登場して一躍「時の人」になった果てに歳をバラされるハメになろうとは、このときは夢にも思わなかったでありましょう(笑)。
 
ゆうんこりん氏は妹尾さんに、バレンタインとしてメタルダーの顔を描いた手づくりチョコをプレゼントしておられた。なかなか上手だと思いました。
 

 また、昨年の暮れに『八月のシャハラザード』で客演として参加されていたししほんじさんも応援に訪れた(あれ、ししほんじさんは1回目にいたんだったかな?)。
 ししさんはブラックサンダー推進委員長でいらっしゃることもあり、この日もブラックサンダー1ケースを差し入れとして持参してきた。
 そんなししさん(うう、平仮名だけの名前だと書きにくいなぁ
) をツッコミまくり、手荒い歓迎をするゲキ塾。の皆さん。「オレ、今日は客で来てるんだぞぅ!」と、ししさんもやり返す・・・が、やや劣勢のもよう。その後 も延々とししさんをイビってるメンバーの皆さん(笑)。いいコミュニケーションのとり方だ。 (゚▽゚)(。_。)(゚▽゚)(。_。)ウンウン

 

 客席は、ほぼ満席に埋まりました。こうして2回目の朗読会がおこなわれます。
 オープニング、ゴイチさんが放つ高笑いのキレが1回目よりも若干悪かった(笑)。う~ん、やっぱり「笑う」という演技はかなり難しいものなんでしょうね。他人事ながら、役者さんの大変さが垣間見える瞬間でありました。

 

 こうして2回目の朗読会も終わり、またしても懇親会の時間です。誰もが笑顔を浮かべていたことからも、この会の満足度が高かったことがわかります。これだけのお代で参加できるわけですから、かなり格安でお得感の高い催しだったといえます。
 見たところ大半のお客はメンバーの皆さんがお呼びして来場した方々のようでしたが、なかにはピカイチの常連さんもいらっしゃいました。
 傑作だったのは、ただ店内に飾ってある写真を見にきただけなのに、たまたまやってたリーディングを観たら「すごくよかったですー!」と感激していた女性(仮称:Aさん)。栃木県からお越しだったようで。
 この方は妹尾さんのことも知らないし、演劇系のものとはまったく馴染みがないという。だから何もかもが新鮮だったようです。


 しばらくは参加者一同、ピカイチ店内で談笑していたのですが、そのままの流れで打ち上げ会場へ合流。なんと、出演者のみならず、来客の半数以上が参加することに! これが初対面であったAさんまでも、もう仲間みたいになってしまいました(笑)。

 移動の最中、私は、変テコな経緯で遭遇することになったAさんが面白くって、いろいろと伺ってみたり、逆に質問されたり。
「店長の赤星さん、見たことないですか? 子泣きじじい演ってらっしゃったんですよ」
「あー、わかるかも!」
 赤星さんは1回見たら憶えてしまうビジュアルをお持ちの方ですから。Aさんでも、やはり子泣きじじいには心当たりアリのようでした。

 打ち上げ会場は駅前の居酒屋。私が着座するころには既に、ししさんが妹尾さんや高田さんらにツッコミを入れられまくっていたところでした。それも、だいたいシモネタ方面で(笑)。

 また、迅さんの本業は忍者なんだそうで(?)、お客の中にいた忍者仲間の方ともども「忍者トーク」を繰り広げるという不思議な瞬間がありました。
 迅さんは、くノ一なんですかね。だとすると・・・短刀は逆手に持つタイプですか? そしたら、牧冬吉さんがご存命であれば弟子入りしたんでしょうね。いや、いまからでも由美かおる先輩のところへ行ってみる手だってありますね。
 しかしながら・・・忍者にしては妹尾さんからいろんなことをバラされすぎだと思いましたが(笑)。

 

 ――そんなこんなでゲキ塾。の皆さんとの楽しい1日。次回は6月の予定なんだそうです。いまから待ち遠しくて仕方がありません。

 ちなみに私、このあと間一髪で終電に乗り遅れ、国分寺から1時間半も歩いて帰ったのはナイショですから。