5月某日。
都内某ラジオ局スタジオ。
居心地悪げに座らされてる、アイドル仮面ヒデキ(拙ブログ『「エキサイティング秀樹vol.5 恋の暴走/この愛のときめき」より 〜アイドル仮面・ヒデキの正体を暴く・SIDE A/B〜』参照。以下「ヒ」)。
粛々とセッティングを進める、拙ブログ著者another.another.ki(以下「ア」)。
以下、二人の会話。

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ヒ「…僕今日はなんで呼ばれたの?」
ア「ちょっと、今回のテーマにお付き合い頂きたいんです」
ヒ「今回のテーマ??何それ」
ア「ところでヒデキさんは今おいくつですか?」
ヒ「えっ20歳だけど…」
ア「ではですね、17年後に、僕はもしかしたらこんな役を演じてるかもしれないな、って体(てい)で、お付き合いください」
ヒ「?????(何のことだかさっぱりわからない)」
ア「まずはこちらのVTRをご覧ください」
ヒ「……。!!?」

(〜この後アイドル仮面ヒデキ、テレビ東京時代劇『徳川無頼帳』(1992)の24時間ぶっ通し鑑賞会に付き合わされる〜)

ヒ「_(:3 」∠)_(フラフラで寝たい)」
ア「_:(´ཀ`」 ∠):(興奮で鼻血が出ている)」
ヒ「…面白かったけど、とりあえず1975年に戻って一旦寝てきていいかな…」
ア「だめです。ここからが今回のテーマなので」
ヒ「だからその今回のテーマって何なのよ?」
ア「(鼻血を出しながら)今から私ano.ano.kiが、一話ごとに『徳川無頼帳』の柳生十兵衛様への愛を、とにかくひたすらとことん語り尽くします!!!!
ヒ「!!?」

【テーマ:ano.ano.ki が語る『徳川無頼帳 』における柳生十兵衛】

ヒ「…ここだけ切り取ると真面目な論文だけど」
ア「はいそうです、第一話から順順に、完全に私の腐女子目線にて、柳生十兵衛のことだけ、萌えポイントをひたすら語り尽くして行く番組です!
ヒ「番組なの!?」
ア「全国ネットです」
ヒ「……僕、必要?」
ア「では記念すべき、第一話から!」


◆◆第一話「吉原百人斬り」◆◆

ア「ここで『徳川無頼帳』をご覧になったことが無い方のために、簡単なあらすじと、登場人物について整理しておこうと思います」
ヒ「ねぇ僕必要?」
ア「お話の概要としてはですね、お侍さん2人がタッグを組んで江戸の吉原で起こった悪いことを人を斬りながら懲らしめるテレ東の時代劇です
ヒ「雑…」
ア「あっ放送していたのは1992年です」
ヒ「へぇ…」
ア「主な登場人物は以下の通りです」

🦸‍♀️廓 幻之介(千葉真一)・・・通称幻さん。本当は徳川家康の息子で、本名は松平忠輝。女好きで酒好きだけどめっちゃ剣豪。なんでか知らないが吉原にいる。

ヒ「いやぁ、千葉さんのアクションのスピードとキレは半端ないね」
ア「すごいんですよ、スローモーション再生にしても、速くて見えないんですもの」
ヒ「この時千葉さん…53!?えぇっ??!」
ア「追い追い、千葉さんのアクションの凄さにも触れていきますね。では次に、私の鼻血の原因です」

🦸‍♀️柳生 三厳(西城秀樹)・・・いわゆる柳生十兵衛。将軍のなんかの御指南役だったらしいがなぜか追放されて吉原に流れ着いた。酒好きでめっちゃ剣豪。

ヒ「あのさぁ、柳生三厳って名前がまずカッコいいよね」
ア「もう名前だけでおおってなりますよね。劇中では『柳生十兵衛三厳』って名乗っていますね。」
ヒ「あぁじゃあ十兵衛三厳ってのが名前なのかな?すごい長いね」
ア「十兵衛と三厳で切れるとは思いますけどね…」
ヒ「そっかぁ。十兵衛って何だろうね。ミドルネームみたいな感じなのかなぁ?」
ア「あーはいはいヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、みたいな」
ヒ「そうだね」
ア「C.W.ニコル、みたいな」
ヒ「うん…」
ア「あとは…
ヒ「次行こっか」
ア「場内なかなか暖まりませんね」

🦸‍♀️浮橋太夫(成田和未)・・・吉原で一二を争う花魁。幻さんの彼女。第10話で殉職。

ヒ「殉職って。太陽にほえろじゃないんだから」
ア「第10話で、浮橋さんがお亡くなりになる展開はかなりショックでしたね」
ヒ「浮橋と良い仲だった幻さんも気落ちしただろうねぇ」

🦸‍♀️千代乃太夫(高橋久美子)・・・第10話から登場。浮橋の妹。姉の死後、突如花魁になり、太夫職を継ぐ。

ヒ「太夫職ってさぁ、そんなにすぐになれるものなの?だってお女郎さんの中でも最高の位で、限られた人しかなれない雲の上の存在なんでしょう?」
ア「そこはまぁ、脚本マジックですよね」
ヒ「大人の色気たっぷりの浮橋と、可憐な千代乃。正反対のタイプの姉妹だけど、十兵衛は浮橋のほうが好みだったみたいだね」
ア「千代乃さんは幻さんとも十兵衛さんともフラットなお付き合いっぽいですよね」
ヒ「十兵衛とくっつく、みたいな安っぽい展開にしなかったのはこの作品の良い所だね」

🦸‍♀️嵐(真矢武)・・・吉原のお女郎さんやってる時は女装してるけど、戦う時はめっちゃ男。結局男。

ヒ「嵐は謎だね」
ア「なんか十兵衛さんのこと、好きみたいですよ」
ヒ「やっぱりカッコいいからモテるんだよね」
ア「嵐のアクションがこれまた凄くてですね…本当に忍者みたいなんですよ」
ヒ「いやぁ本当にカッコいいんだよね。足なんかくぉんなに上がるんだもん(やってみる)グキッ」
ア「あまり無理しない方が…」

🦸‍♀️玉次郎(栗原敏)・・・吉原で働いてる人。たまに戦う。眉毛がない。多分女好き。
🦸‍♀️才次(真壁晋吾)・・・忠輝の側近で今は吉原で働いてる。けっこう戦う。
🦸‍♀️喜久造(池上公司)・・・吉原で働いてる人。三枚目担当。
🦸‍♀️元締め(ハナ肇)・・・本名・京屋庄左衛門。吉原の総取締役。

ア「この辺りが吉原花房楼の常駐メンバーですね。
ハナさん、顔色があまり良くなくて、この頃からあまりご体調が優れなかったのかなぁ、なんて感じます…」
ヒ「でもやっぱり、ハナさんが出て来られると場面が締まるよね」
ア「吉原メンバーもJACの方が多いから、戦う時に実はめっちゃ凄い動きしてますよね」

ヒ「でもさぁ、文章で説明されても、いまいち登場人物の関係性がわかんないんだけど」
ア「そんなことだろうと思って、書いてきましたよ相関図、ほら(ドヤァ)」


ヒ「見にくいよ!」
ア「なんか全体的に汚いんですよね」
ヒ「この上なく手抜きだけど、まぁ一応要点はまとまっているね」
ア「ではいよいよやっとこ本題に行けますね。まずは第一話の中で、良かったポイントを挙げていきましょう!」

⭕️良かった点

①十兵衛の初登場シーンがカッコ良すぎる

ヒ「主役の二人が、最初なかなか出てこないんだよね」
ア「そうなんです。やっと十兵衛らしき人物が出てきたかと思ったら、笠かぶってるんで顔が見えない」
ヒ「なんか増殖した忍者さんたちが屋根から飛び降りてきて彼を襲おうとした時、バッと笠を取る!音楽IN!ジャッジャージャジャッ(口ずさむ)」
ア「これが十兵衛の初お目見得シーンですね。真打ち出ました!って感じ。」
ヒ「そこからチャンバラが始まるわけだね。じゃあね、僕が思ったのもいいかな?」

②登場シーンの十兵衛の剣捌きが美しすぎる

ヒ「最初スタントさんかと思っちゃったよ。むしろ今でもそう思ってる」
ア「わかりますけど、あんなに顔はっきり映ってるのに!?」
ヒ「何ならもう最初のお目見得シーンから吹き替えかもなんて思っちゃった」
ア「最初って?」
ヒ「 

   」

ア「そっから!?!?」
ヒ「双子の弟とか」
ア「いたら今頃大ニュースだわな」
ヒ「いや、それだけ、立ち回りのシーンが凄かったってことだよ。だってにわかに信じられないよ。この人、本格的な時代劇初めてなんでしょ?」
ア「単発ドラマや舞台、かくし芸とかでは、立ち回りを披露されていたみたいですが…連ドラは初めてだったみたいです」
ヒ「中の人、ちょこっと剣道と、ちょこっと柔道やってたみたいだけど、ほんのちょこっとでも、それが活かされてるのかなぁ」
ア「やけに詳しいですね」
ヒ「(´ε` )〜♪(鳴らない口笛)」
ア「でもたしかに、私も何度も疑ってしまった…ちゃんとご本人でしたけれどね。
剣の軌道とか軸の美しさとか、流れるような動きとか、本当素晴らしいです!
この素晴らしさは追い追い、別の話でも熱く語らせていただきますねフガフガ」
ヒ「途中、後方宙返りやってるけど、あれはさすがにスタントだよね??」
ア「うーん。何十回も見返しても、わからないんですよね…顔や身長とか、秀樹さんかと言われればそんな気もするし、完全にそうかと言われたら、距離が遠すぎて微妙だし…
でもほら、秀樹さん、色んなとこで前宙やったり、トランポリンでバク宙やってる『前科』があるじゃないですか。だから、『あんなん出来るわけないじゃん、スタントに決まってんじゃん』とは言い切れないんですよね…」

ヒ「そういう風に思わせちゃうのも、この人の凄いところだね」
ア「この件は今後も検証を続けます!では次に」

③幻さんとの対決からの、友情の芽生え

ア「最初は、浮橋太夫をめぐっての恋敵だったんですよ、この2人。で、好きな女のために命をかけた闘いをする」
ヒ「ちなみにその恋敵設定、初回だけだったね(´・ω・`)」
ア「そのまたちなみに浮橋の恋敵という面では、十兵衛は幻さんに完敗なんですけどね、戦わなくても」
ヒ「でもあの決闘シーンは痺れたね。剣の腕は本当に互角なんだよね。あれじゃ一生かかっても決着つかないよ笑」
ア「夜が明けちゃいましたものね(笑)
あとで詳しく見てみようと思いますが、お二人の剣のスタイルも全く違うんですよね」
ヒ「十兵衛は新陰流、幻さんは自己流だって言ってたね笑」


ア「新陰流って、どんな流派なんでしょうかね?」
ヒ「今Wikiで見たら相手の攻撃を流しその力を利用した瞬殺の動作を重視している』って書いてあったよ」
ア「へぇ。じゃあきっと、十兵衛の中の人も今回の撮影にあたって、そういうの勉強したんでしょうね…」
ヒ「そうそう、きっと勉強熱心な人だからね(強調)」
ア「何はともあれ、あの対決シーンで、幻さんと十兵衛、お互いが『おっこいつやるなぁ』と認め合ったんでしょうね」
ヒ「最初は登場人物がみんな、バラバラの方向を向いてたもんね」
ア「そう。浮橋だって最初は、幻さんを父の仇だと勘違いして、なんと殺そうとしてましたもんね。」
ヒ「その三方の視線がピタリと重なった時の鳥肌具合!これはビビビと来たね」
ア「そこに、ハナさんの元締めが加わって、天下の世直し一座が誕生する。毎回クライマックスでバッサバッサ悪人を斬りながら懲らしめる展開はスカッとしますね」
ヒ「いやぁ、ホント良いね、この時代劇!!」
ア「ほんとですね。では次に」

悪かった点

①十兵衛が

ヒ「(遮って)ちょっと待って!!何よ、悪かった点って」
ア「いや、ブッブー🙅‍♀️な所があったんで」
ヒ「無いよ、絶対無いよ、悪いとこなんて!!こんな斬新でカッコいい時代劇、どこからどう見ても完璧じゃない」
ア「いいですか。17年後の予習だと思ってよく聞いといてください」
ヒ「⁉️」

❌悪かった点

①十兵衛が女性の扱いをわかっていなさすぎる

ヒ「えっ…」
ア「そう思いませんか??」
ヒ「仰る通りで」
ア「見た目二枚目なのに、お芋をギャグにしちゃうぐらい、中身がまるっきり寒いおじさんですもの…浮橋太夫もそりゃ興醒めしますわ(笑)」
ヒ「浮橋との最初のご対面の時の、十兵衛さんの名乗り方で、もう完全に女性慣れしてないのがわかったよ。
勇ましく『俺の名は十兵衛。』ってさぁ…これから女性と甘い夜を過ごそう感ゼロだもん」
ア「勇ましい営業マンの自己紹介って感じでしたもんね。オッスオラ悟空、みたいな」
ヒ「こんなに女性の扱い不慣れな感じなのに、何故、わざわざ吉原に来たんだろうね?」
ア「いや、不慣れだから、来たんじゃないんですか?」
ヒ「なるほど。それに対して、かなり幻さんは女性慣れしているね。
さすが、浮橋が惚れた男なだけあるよ」
ア「女性に対して、余裕があると言うか…この後の回でも、もう常に女の匂いをプンプン纏わせていますね。そうそう、関連して、もう一つブッブー🙅‍♀️な点を言わせてもらえれば」
ヒ「まだあるの??(´・_・`)」

②十兵衛は女心もわかってなさすぎる!

ヒ「あぁ…まぁ、ありがち案件だよね」
ア「事件解決後のほんわかラストシーンで露呈した、十兵衛の鈍感っぷり!おゆきちゃんのこと、もっとちゃんと見てあげて!幻さんは気付いてるわよ!」
ヒ「おゆきちゃんって、十兵衛と幻さんが毎日のように飲んだくれているお店の娘さんだよね」
ア「そう、柳屋さんの。十兵衛が浮橋に夢中なのを見て怒っちゃって。」
ヒ「なんかさぁこの十兵衛殿、これ以降のお話でも、まるで、女性に興味なんぞなさそうな感じなんだよね」
ア「そう。なんというか、ロマンスはあっても、プラトニックな…
ヒ「じゃあやっぱり、なんで吉原に来たんだろうね」
ア「いやだから、それだから吉原に来たんですよ」
ヒ「あそっか」
ア「悪かった点もう一個いきますね」

③ほんとに100人斬ってるかわからない

ヒ「…数えてみた?」
ア「まさか」
ヒ「でもタイトルで百人斬りって言ってるんだから、カメラで映ってないところできっとそれくらい斬ってるよ」
ア「多分そうっすね」
ヒ「……」
ア「(寝そべってポテチをつまむ)」
ヒ「ねぇねぇ、著者がだんだん筆が重くなってるでしょ」
ア「あっわかりました?」
ヒ「ここいらでちょっと休もうよ」
ア「いいですけど、そうするとこれ、連載になりますよ。24回。
ヒ「((((;゚Д゚)))))))」

つづく