アンニョン！
韓国の美味しい美しい日々のごはん、
「アンニョン食堂」の花緒です。
現在の韓国は、
カフェ天国でもあり、パン天国。
わたしが住み始めた５年前と比べても、
美味しい、いいパン屋さんが増えた。
今や
大きなベーカリー、小さなベーカリー、
あちこちにいいパン屋さんがあって
美味しいパンを食べられます。
周りの、在韓歴の長い先輩たちは、
「昔はコーヒーを飲める場所も
美味しいパンも全くなかったのに…！」
と口を揃えて言う。
わたしはいい時代の韓国を
享受しているんだなあ、と思う。
ありがたいことだ。
そんな中で、
70余年もの昔から
パンを作り続けている
ソウルで一番古いパン屋があります。
地下鉄３号線「東大入口駅」
２番出口すぐ前の
「太極堂」。
昔からのキャッチコピーは
「お菓子の中のお菓子」。
シンプルだけど美しい形をした
白い4階建てのビル。
入り口から目に入るのは
大きなシャンデリアと、
年月を経て味わいのある「太極食パン」と
書かれた看板。
その下に、様々なパンが並んでいます。
レトロなデザインの袋に入った
ピーナッツパンやバターサンドパン、
定番の菓子パン、砂糖がたっぷり
まぶされたねじりドーナツ。
ハンバーグを挟んで揚げたミニハンバーガー。
贈答用の大きなカステラ。
パンによって違うデザインの袋に入っていて、
その袋もレトロで味がある。
そしてバタークリームケーキ。
絶妙に古めかしいセンス。
今時バタークリームケーキ？
美味しいのかな？
と思うけれど、このお店に似合いすぎていて
妙な説得力がある。
最初はただ
古くからあるお店なのだ、と思って
見ていたのだけれど、
あら？
このお店、もしかして
天然レトロなだけじゃなくて
自己プロデュース力高くない？
と感じる。
パンの種類を見てみると、
あんパンや、
今時のパン屋のふんわり食パンに比べると
若干クッタリ感のある食パンなど
昔懐かし感のあるパンに
チュロスやレモンケーキ、
生クリームあんパンなど
創業当時はなかったであろう
新しいラインナップが紛れてる。
だけどあくまで、
素朴さや懐かしさを失わない、
そのラインは守ってる。
パッケージは
レトロ感をしっかり活かしてる。
お客さんの年齢層はとても高い。
ハラボジ、ハルモニが多い。
自社牧場？の大きな壁画のある
カフェスペースでは
ハルモニたちが集まって
パンとコーヒーをお供に
おしゃべりに花を咲かせています。
カフェが混んでいたので、
今日はパンを買うだけ。
ハラボジ、ハルモニたちのように
いろんなパンをあれもこれも
大人買いしたかったんだけど、
諸事情で今日は二つだけ買う。
生クリームあんパンと、
米粉蒸しパン。
食べた感想は
店の世界観にぴったりの「素朴さ」。
だからと言って
味がイマイチ、なんて
「ガッカリはさせない美味しさ」。
生クリームあんパンの
パンはふわふわしすぎない
昔懐かしな食感。
重さやクドさのない
軽やかな生クリームが
たっぷり入ってて、
潰した餡の中には
少し硬めの小豆が混ざっていて
食感が面白く
小豆の味も楽しめる。
いいバランスで、
ペロリと食べちゃった。
米粉蒸しパンは
このむっちりとした質感に惹かれて。
割るとむっちりふんわり、
素朴な風味と甘さで
あとを引く。
いわゆる「絶品」と称される
種類の味ではないけれど、
素朴さ
懐かしさ
実直さ
太極堂の歴史と世界観
そういうものを体現している、
ソウルにパン屋は数あれど
唯一無二のパン。
洗練や進化だけが
いいことじゃない。
確立された太極堂の世界で
パンを選び、買い、
シャンデリアの下でお茶をする、
その体験が楽しい。
「アイスモナカ」と
「チョコがけレモンケーキ」
が美味しいと
教えてもらったので、
次はそれを食べに行きます。
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太極堂(テグクダン)
ソウル市中区東湖路24キル7
서울 중구 동호로24길 7
8:00-22:00 旧正月、秋夕当日休業
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