ジュテーム | パパ・パパゲーノ

ジュテーム

 フランス語の勉強の最初に出てくるのが、動詞の活用です。いくつか活用のタイプがあるのですが、もっとも一般的な aimer (愛する)の直説法現在形をまず覚える。


j'aime(ジェーム:私は愛する)
tu aimes (チュ エーム:お前は愛する)
il aime(イレーム:彼は愛する)
nous aimons(ヌゼモン:われわれは愛する)
vous aimez (ヴゼメ:あなた〈がた〉は愛する)
ils aiment(イルゼーム:彼らは愛する)


 人称による動詞の形の違いは、ドイツ語にもありますね。イッヒ・リーベ、ドゥー・リープストのようになっていたか。


 イタリア語をちょっとかじったときに、1人称とか2人称の主語を省くことができる、とあって、少し感動しました。


(イオ) ソノ タナカ=(私は) です 田中


のようになる。ラテン語の動詞活用は、たしか、人称を省略します。なるほどローマの後裔かと思ったわけです。


 英語は、かつてはあった、この活用語尾がほぼ消えてしまった言語なのだそうです。3単現のエス(3人称単数現在形にはsを付ける)というのを教わりました。ヒー・スピークスとか。それ以外は、ただスピークですね。


 中国語では、アイラブユーは、「我愛汝(汝の実際の文字は、にんべんプラス弥の右側に似た漢字)」と書いて「ウォーアイニー」と発音するようです。この「愛」は、動詞になったり名詞になったりするのだそうで、言語類型学でいう孤立語の特徴とされます。


 日本語では、動詞の人称活用というのはありません。五段活用とか、サ行変格活用とかいうのは、後続する助動詞や名詞などとのつなぎ方の違いです。


 きのうテレビで、アメリカの素人のど自慢大会(スーザン・ボイルが有名になったイギリスのオーディション番組のアメリカ版)で優勝した青年が、自分のおかあさんにむかって「ママ、アイラブユー」と涙ながらに語りかけたのを見ました。日本語では言えないなあ。中国語では言えるかな、などと思いました。


ドキドキ        ドキドキ        ドキドキ        ドキドキ        ドキドキ