オリンピック記念センター
きのう、「岬の墓」(堀田善衛作詞・團伊玖磨作曲・福永陽一郎編曲)の演奏会がありました。最後のハミングを長く引っ張ってディミヌエンドし、静かに音楽が終わります。指揮者の三澤洋史(みさわ・ひろふみ)先生が、合唱団に向かって小さくガッツ・ポーズを作ってくれたので、うまく行ったのだと、ようやくホッとしました。ピアノ伴奏の大島由里さんも、客席にお辞儀をしたあとで、合唱団にむけて笑顔で拍手をしてくれました。
音程を取るのがおそろしく難しい曲だったので、ステージで歌ったその1回が、やっとうまく歌えたと思える1回でした。練習のときは、何度やっても転調が成功せず、ピアニストが悲しそうな顔をするので、歌っているこちらも、情けなくなっていたのでした。それだけに、歌いだして、和音が揃ったかなと感じられてからは、最後まで集中力が途切れずにおしまいまで行けたのが、じつにうれしかった。聞いてくださった方々からも、まずまずよい感想を聞くことができました。
演奏会の会場は、「国立オリンピック記念青少年総合センター大ホール」という長い名前のホールです。700くらいの客席。ここも、この間の紀尾井ホール と同じように、シューボックス型(直方体)のホールでした。出番が終わってから、他の演目を客席で聞きましたが、じつに響きのよいホールです。
代々木公園の西のはじに位置しているのかな、小田急線の参宮橋駅と、地下鉄千代田線の代々木公園駅が最寄り駅ですが、どちらからも、かなりの距離を歩くので、アクセスが不便です。そのぶんでしょうか、使用料が安いので、お金のあんまりない学生団体が活用しているらしい。学生割引もあるようです。大ホールを含むビルの中に、音楽練習場が中小10くらいあるんじゃないかしら。ダンスの練習をしているらしい若いグループも見かけました。
私どもが学生だったころに比べれば、こういう練習施設・スタジオの充実ぶりには目を見張るばかりです。完全防音で、備品のピアノはちゃんと調律されています。
この「総合センター」は、音楽ばかりではなくて、スポーツ万般の練習場や、たぶん理科系の訓練施設も備えているもののようです。このあたりは、東京オリンピックのときの選手村だったのでしたかね。公園全体に高層ビルがないので、空が広く感じられるのも気持ちのいいものでした。
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