紀尾井ホール
昨日(13日)「前田幸市郎メモリアル演奏会」が終わりました。プログラムは、順に、ケルビーニ「レクイエム ニ短調」、フォーレ「レクイエム ニ短調」、シューベルト「ミサ曲 ト長調」の3曲。
最初のケルビーニが一番長くて40分くらい、私はこれだけに参加し、2曲目からは客席で聞きました。フォーレは2階の右サイド、最後のは、1階の2列目。フォーレのソプラノ・ソロの平松英子さんの声が感動的でした。
午前中のステージ・リハーサルでは、1階後方の席で聞いていましたが、澄んだ美声がホール中に響きました。高い音がピアニッシモになったときの響きがとくにすばらしい。
シューベルトのソプラノ・ソロも、何曲かありました。すぐ近くで聞いていると、意外に野太い声なのに驚きます。からだ全体が共鳴しているということでしょう。
いつも合唱の練習をしているのは、比較的狭い空間なので、他の声部の歌っているのがよく聞こえるし、ハーモニーも確かめながら歌うことができます。ところが、このステージでは、ほぼ一列に整列するので(扇形にはならないので)、ほかのメンバーたちの声が聞こえにくいのです。80人も並んでいるのに、自分ひとりでオーケストラの合奏に張り合っているような錯覚におちいりました。あと何回か、ステージのリハーサルがあったらよかったのにと思いました。
この紀尾井ホールというのは、客席数が800席と、比較的小さなホールです。シューボックス型と呼ばれるコンサート・ホールで、「靴箱」の端っこがオープン・ステージになっています。音響効果にすぐれている作り方なのだそうです。ステージの上からは、自分たちの声が客席に届いているのかどうか不安でしたが、客席で聞いていると、オーケストラのうしろに並ぶ合唱団の声が、ちゃんと「ハモって」いるので、安堵しました。よい演奏だったと言ってくださる方が多かったので、成功した演奏会だった、と思うことにします。
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