「お目にかかられた」? | パパ・パパゲーノ

「お目にかかられた」?

 石原裕次郎の23回忌ということで、テレビや週刊誌に彼の名前を見ることが多くなりました。


 4日(土曜日)夜に、テレビ朝日系列で追悼特別番組があって、リモコンをあわせたらたまたま天海祐希が渡哲也にインタビューしている画面に出会いました。渡がいかに裕次郎に心酔していたかがよく分かりました。天海祐希さんは、ときどき涙をこらえながら、渡の話を聞いています。


 途中、こう聞きました。「最初に(裕次郎さんに)お目にかかられたのはいつですか?」


 渡哲也がどう答えたか覚えていませんが、この「お目にかかられた」はヘンな敬語です。


 「お目にかかる」は「会う」の《謙譲語》です。「先生にお目にかかる」(先生に自分が会う)のように、自分の動作(行動)について、へりくだって言う場合に使う。それなのに、「お目にかかられる」と、《謙譲語+レル敬語》というねじれ表現になってしまいました。「最初に会ったのはいつですか?」と動詞を敬語体にしないほうが、まだしも自然な言い方でした。「最初に会われたのはいつですか?」でもOKでしょう。「最初にお会いになったのはいつですか?」でもよい。


 私は、いつかも書いたように、「レル敬語」をできるだけ使わないようにしています。受身と同じ形になることが多くてまぎらわしいからです。自動詞の場合でも、「今度の旅行はどこに行かれたんですか?」などは、「イカレた(ちょっとアタマがおかしい)」と連想が重なって気持ちが悪いのです。


にゃー        にゃー        にゃー        にゃー        にゃー