ドヴォルザークのメロディー | パパ・パパゲーノ

ドヴォルザークのメロディー

 ドヴォルザークは、交響曲第9番「新世界より」が一番聞かれる曲だと思います。第2楽章の出だしのイングリシュ・ホルンのメロディーが、「家路」というタイトルで、音楽の教科書に載っていました。「遠き山に日は落ちて」という歌詞でしたね。イシュトヴァン・ケルテスがウィーン・フィルを指揮した盤を今はよく聞きます。名演です。

 私が、もっともたくさん聞いたのは「チェロ協奏曲」です。ピエール・フルニエ、ロストロポーヴィッチ、ヨーヨーマなど。最近は、ジャクリーヌ・デュプレ(指揮はバレンボイム)のCDばかり聞いています。

 ケルテスのもデュプレのも、『クラシックCDの名盤』という文春新書のシリーズ(132番《演奏家篇》、646番《新版、元版は69番》)で教わったものです。このガイドブックは、宇野功芳・中野雄・福島章恭の3人が、同じ曲について推薦するCDをあげ、推薦理由を書いたものです。激しく意見が違ったりするのがおもしろい。

 こういう大作もいいのですが、この作曲家は、小品において(も、と言うべきですが)メロディー・メーカーの本領を発揮します。

 ヴァイオリンの「ユーモレスク」とか、「ロマンティック・ピース」とか。「わが母が教え給いし歌」という、大仰な訳のついた歌もあります。「母が教えてくれた歌」でいいところでした。クライスラーがヴァイオリンに編曲したものもよく聞くことがあります。