デジャヴュ
デジャヴュというのは、記憶に関する用語で、「既視感」と訳されます。もとはフランス語、「デジャ」が「すでに」、「ヴュ」が「動詞見る(voir)の過去分詞形:見た」、合わせて「既に見たことがある」という意味。
昔からある表現のように思っていましたが、この意味では20世紀になってから使われたもののようです。
初めて見たり、聞いたり、感じたり、訪問したり、したのに、「あれ? 前にこれと同じことがあったよなあ」というのは、たいていの人に覚えがあるはずです。たとえば、ジェットコースターに初めて乗ったのに、前にも乗ったことがあったと感じるとか、長岡市という街の中を歩くのは初めてなのに、商店に見覚えがあるとか、そんな経験です。
「記憶錯誤」という病名もあるそうですから、今経験していることを過去の記憶として想起する、という「錯誤」を指すもののようです。しかし、経験した人(70%くらいらしい)なら、お分かりのとおり、間違いなく「過去の」こととして思い出しますね。記憶のことは難しすぎてよくは分かりませんが、「タイムマシーンのようなもので過去へ旅行してきた経験をいま思い出している」としておくほうが面白いと思います。
デジャヴュは、見ることのみならず、「耳の記憶」も含みます。初めて聞いた音楽なのに、ものすごくなつかしい、と感じることもありますしね。
フランス語の普通の熟語としての「デジャヴュ」には、そういう含みはないようです。「もう知っている(ので新味がない)」というほどの意味です。
![]()